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公取委の態度があいまいで遅々として進まぬ“手形電子化”

週刊ダイヤモンド編集部
2009年2月4日
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 企業の資金調達の円滑化を目的に創設された「電子記録債権制度」が法律施行後、足踏みしている。

 手形などを電子化するこの制度に対応するため、法務省と金融庁は昨年12月1日、「電子記録債権法」を施行。ところが、問題が一つ残ったまま。それが、「下請法」の存在である。

 下請法とは、下請け企業の保護を目的とした法律。大企業から下請け企業への支払方法を、原則現金払いと定めている。支払方法のなかに「電子手形」による支払いは含まれていないため、下請法に違反する可能性があるのだ。

 大企業は下請法には敏感だから、いざ電子手形で下請け企業に支払いを行なっても、あとになって所管の公正取引委員会に下請法違反を指摘されることを恐れる。

 そこで、法務省や金融庁は当初から公取委に「お墨付きを与えてほしい」(関係者)と懇願し続けるも、具体的な対応はなく、かれこれ法律公布から1年と6ヵ月が経過、施行にも間に合わなかったというわけだ。

 公取委は、「利用の様子を見てから、事後的に対応したい。事前にお墨付きを与えるのは、前例がないから難しい」(関係者)というのが本音のようだ。

 じつは、法務省や金融庁はこの制度を、中小企業の資金繰り支援の光明と位置づけている。

 大企業から中小企業への支払手段である手形の利用は、ピークの1990年から約6割も減少。振込支払いに移行した。

 支払期限前でも現金化できる手形に比べ、振込支払いは振り込まれるまで現金が手に入らないため、中小企業の資金繰りは悪化の一途。そのため、中小企業の資金繰り改善の一手段として、大企業が支払いを電子手形で行なうことが必要と判断した。

 これを受けて、全国銀行協会や三菱東京UFJ銀行、広島銀行などが、電子記録債権の記録機関の設立、あるいは活用の検討を始めている。

 大企業も現時点で、少なくとも20社以上が導入の検討に入った。従来の手形決済と比較して、作成や発行、保管のコストや手間を避けることができるためだ。

 下請け企業も、従来の手形には不可能だった支払いの小口化が可能となるから、今すぐ実施してほしい制度のはず。

 だが、公取委の腰は重い。

(『週刊ダイヤモンド』編集部  池田光史)

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