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金融市場異論百出

欧州で現実味を増してきた
「マイナス金利政策」の問題点

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2014年3月11日
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 「マイナス金利を真剣に検討している」。ECBのクーレ専務理事は2月上旬にそう述べた。昨年春~夏にドラギECB総裁もマイナス金利を度々匂わせていた。当時はユーロ高回避のための外為市場に対するブラフだったが、最近のECBはニュアンスが変わってきた。ECBチーフエコノミストのプラート理事は「物価動向の弱さは中期にも及んでいる」と危機感を示した。

 1月のユーロ圏の消費者物価指数前年比改定値は0.8%、速報値から0.1%上方修正された。とはいえ、ECBの事実上のインフレ目標は「2%未満で、かつ2%に近づける」だ。目標から大きく下方に乖離している。2月のインフレ率がもし弱ければ、ECBが追加緩和策に動く確率が高まる。

 もっとも、FRBや日銀のように国債を大規模に購入する政策はユーロ圏では行いにくい。当面は現実的ではない。このため、オーソドックスには政策金利の引き下げが選択され得るが、既にその金利は0.25%だ。完全なゼロにはできないので、下げ幅の余地は0.15%程度しかない。市場が小幅の利下げで納得してくれるならよいが、より積極的な緩和をECBが市場から迫られる場合は、カードをもう1枚切る必要が生じる。それがマイナス金利政策である。

 ただし、ECB幹部は、金融機関がECBに資金を預ける際の金利(現在0%)をマイナスにしたところで、銀行の市中への貸出が増えるとは全く思っていない。現代の銀行は金融規制でリスクが取りにくくなっているからである。

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