第3回:目指せスピード解決!  回収トラブル回避の極意

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第3回:目指せスピード解決! 回収トラブル回避の極意

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弁護士に頼むことで、判決結果に影響はあるか

――この段階で解決しない場合、どのようなことが想定できるのでしょうか。

田沢 ここからは訴訟手続という段階になります。支払督促が債務者側の言い分を聞くことなく一方的に出されるのに対し、訴訟手続は、最初に債務者側の言い分を聞くことを前提にしています。なお、支払督促に対し債務者が不服申立てをすれば、自動的に訴訟に移行します。

 債務者側が分割払いの希望を出してくれば、判決ではなく裁判所が間に入っての話合いで解決(和解)することもあります。もちろん訴訟そのものを無視してくれば、債権者側の主張を認めたものとして、そのまま支払いを命じる判決が下ります。判決に従わない場合には、強制執行を検討することになります。

――弁護士にお願いした場合と、しなかった場合とで、判決結果にはどれくらい違いがあるのでしょうか。

田沢 もちろん弁護士を代理人に立てずに、訴訟手続を遂行することも可能です。ただし、債務者側から取引がなかったなどの主張をされてしまった場合、取引を立証する証拠を提出しなければならず、専門的な訴訟技術を要する場合も出てくるため、専門家へ相談したほうが無難でしょう。

 最高裁判所司法研修所の調査によると、弁護士を代理人に立てない裁判(いわゆる「本人訴訟」)で、弁護士が代理人に就いていれば有利な結論になっていたと思われるケースの割合が2割近くに上るといわれているそうです。この割合を多いと見るのか少ないと見るのかは評価の分かれるところでしょうが、少なくとも2割近くが訴訟技術で失敗するというのですからあながち無視できない数値ということができます。

――裁判の結果、支払いを命じる判決が出た場合は、裁判所に申立てて、相手の財産を差し押さえることができるのでしょうか。その際、どれくらいのコストがかかるのでしょうか。

田沢 強制執行といい、可能です。ただし、その財産が不動産である場合、すでに担保権が設定されていることが多く、担保権の保有者に優先的に配当されます。さらに、不動産に対する強制執行は、相当の費用がかかります。弁護士に依頼する場合、着手金の目安は、裁判を起こす場合の着手金の2分の1、報酬金は裁判を起こした場合の報酬金の4分の1程度となります。また、印紙代や書類の郵送代などの諸費用の他、執行官や評価人に対する報酬分を確保するための予納金(請求債権額が2000万円未満の場合60万円、2000万円以上5000万円未満の場合100万円、5000万円以上1億円未満の場合150万円、1億円以上の場合200万円)などを裁判所に納める必要があります。

――かなりの費用を準備しなければならないのですね。裁判の段階から、弁護士に依頼していればなおさらだと思うのですが、こうした費用を抑える方法はあるのでしょうか。

田沢 不動産に対する強制執行ではなく、債務者側が持つ売掛金や銀行預金を差し押さえることが考えられるでしょう。

 ただし、売掛金がすでに支払済みの場合や銀行預金がない場合は、差押命令が発せられたとしても空振りとなるため、その場合は、裁判所を通じて保有財産を開示させる財産開示手続を取る必要があります。財産開示手続で裁判所に納める費用は、印紙代2000円と郵送料8000円などです。

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