ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
定年前にたそがれない!50代からの人生リセット術 野田稔

会社に居場所がなくなっても我慢するのはなぜ?
不満耐性が強く、集団圧力に弱い日本人

野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]
【第12回】 2014年3月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

なぜ日本人は
いじめを見て見ぬふりなのか?

 特に最近思うのだが、日本人というものは、「不満に強くて不安に弱い」。もしかしたら食べられなくなる、路頭に迷うかもしれないと思うから、なかなか外に飛び出させない。

 会社で居場所がなくなって、給料も下げられて、役職定年になって邪魔だと言われても、あるいはハードワークを余儀なくされても、当然不満には思うものの、長いサラリーマン人生の中で不満に対する耐性だけは鍛えられてしまったので、耐えてしまう。

 だからこそ、日本人の多くはチャレンジができないでいる。

 しかも、日本人は集団の圧力に弱いという特性がある。山岸俊男氏(北海道大学名誉教授、東京大学特任教授)が著書、『心でっかちな日本人~集団主義文化という幻想』(2002、日本経済新聞社、2010、ちくま文庫)で、詳しく説明してくれている。

 山岸氏が実験などにより疑問を呈したのは、日本人一人ひとりの心の中には集団主義が染みついていて、そのために日本人は集団全体の利益を重視した行動を示すという“常識”だ。山岸氏は、他の学者の研究も踏まえ、それは間違いで、日米で比べれば、むしろそうした傾向は米国人のほうに強い、つまり、米国人の方が日本人よりも集団で協力的に行動すると言っている。

 1つの例として挙げているのが「いじめ」だ。最近では、いじめが昔に比べて増えてきているし、陰湿にもなっている。集団で特定の対象をいじめるという傾向も昔よりも強い。これは心の問題だといわれる。日本の子どもたちが思いやりに欠けるようになった。いじめに加担するのも、加担しないまでも見て見ぬふりをするのも利己主義になったからだ、などといわれる。

 しかし、山岸氏はこれを否定する。日本人はそもそも、集団の圧力に非常に弱いから、いじめに加担もしてしまうし、あるいは見て見ぬふりをするというのである。別に他人を思いやる心を持たなくなったわけではない。では、なぜいじめを止めようとしないのか。それは、そうすることで、「自分にとってきわめて重大な結果をもたらすことがはっきりしている」からなのだ。簡単に言えば、自分もいじめられてしまうという恐怖だ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]

明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授/株式会社リクルートホールディングス リクルートワークス研究所 特任研究顧問。野村総合研究所、リクルート社新規事業担当フェロー、多摩大学教授を経て現職に至る。日本テレビ系列「ズームインスーパー」、NHK総合「経済ワイドビジョンe」「Bizスポワイド」、NHKEテレ「仕事学のすすめ」などメディアでも活躍。主な著書に『組織論再入門』『中堅崩壊』(以上ダイヤモンド社)、『二流を超一流に変える「心」の燃やし方』(フォレスト出版)『企業危機の法則』(角川書店)など多数。


定年前にたそがれない!50代からの人生リセット術 野田稔

大企業の中に、500万人近くいると推計される雇用保蔵者。役職定年者を中心に、もし自分が雇用保蔵人材と認定されているとしたら、どのように自らのキャリアを考え、建て直していくべきなのか。50歳で人生を黄昏(たそがれ)にしないためのマインドセットと自分を変えるための方法論とは……?

「定年前にたそがれない!50代からの人生リセット術 野田稔」

⇒バックナンバー一覧