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樋口泰行 変革型リーダーの現場力

社内の「常識」が、世間の「非常識」になるとき

――樋口泰行 × 米倉誠一郎 対談【前編】

樋口泰行 [日本マイクロソフト 代表執行役 会長]
【第4回】 2008年3月12日
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日本ヒューレット・パッカード(HP)社長から経営再建中のダイエー社長に転身し、現在はマイクロソフト日本法人の代表執行役兼COOを務める樋口泰行氏。その樋口氏が、ダイエー再生の修羅場で培った変革型リーダーの要諦を明らかにする。今回から、米倉誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター所長)との対談を2回にわたってお伝えする。

樋口泰行氏(右)と米倉誠一郎氏(左)

米倉 樋口さんのお話を聞くと、ダイエーのカルチャーは相当おかしくなっていたようですね。僕が興味を持ったのは、ダイエーの場合は決して人材の質が劣っていたわけではなく、かつては就職学生の人気企業ランキングでトップ10に入るほど優秀な人材が集まっていた。それなのに、なぜ歯車が狂ってしまったのかということです。

樋口 やはり会社が謙虚さを失うと、それが社員に伝播していくのではないでしょうか。自分たちが未来永劫いまのやり方で通用すると考えるようになってしまう。特に大企業になると、大きな船の中にいるようなもので、外の波が高くなっていることにも気づかなくなる。タイタニック号がまさに沈もうとしているのに、ひたすら食堂の椅子を並べ替えているというイメージです。

米倉 改革を起こすことで、そういう社員たちに火が点くわけですよね。一皮グワッと剥けば、ピカピカな人たちが多いわけですから。

樋口 どこの会社にもエネルギーを内に秘めている若い社員たちがいて、正しいことをやりたいと思い続けているものです。そういう社員たちの軸足をきちんとお客様のほうに向けて、「正しいことは正しい」と言えるような環境をつくれば、出口は自ずと見えてくると思っていました。

米倉 セクショナリズムが強くなると、社内の人間関係も悪くなるものです。しかし、皆をテーブルに集めると、その距離が一気に近づく。やっぱりダイエーは1つなんだと。社員が本当に見ているのは、方向性を見失ったトップではなく、日々ご来店くださるお客様です。そういう気持ちをつなげる通路を作るのが、小売改革では大事でしょうね。

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樋口泰行 [日本マイクロソフト 代表執行役 会長]

1957年、兵庫県生まれ。80年、大阪大学工学部電子工学科卒業。同年松下電器産業(現パナソニック)入社。91年ハーバード大学経営大学院(MBA)修了。92年、ボストン コンサルティング グループ入社。94年、アップルコンピュータ(現アップル)入社。97年、コンパックコンピュータ入社。2002年、日本ヒューレット・パッカードとの合併に伴い、日本HP執行役員インダストリースタンダードサーバ統括本部長。03年、同社代表取締役社長就任。05年、ダイエー代表取締役社長就任。07年3月、マイクロソフト(現日本マイクロソフト)代表執行役兼COO、08年4月、同代表執行役 社長就任。15年7月より現職。
著書に『「愚直」論』、『変人力』などがある。


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