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国債はどの程度「安全資産」なのだろうか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第330回】 2014年5月21日
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新ルールで国債がリスク資産に?
日本国債の暴落を仕掛けるには

 「国債は安全資産か」という胸がどきどきするような見出しの記事が、『日本経済新聞』(5月19日、朝刊)に載った。銀行が保有する自国の国債をリスクのある資産と見なすかどうかについて、金融機関の規制ルールが2020年前後の導入を目処に検討されているという。国際的な金融規制である「バーゼル3」の後継版の位置づけだ。

 日本の銀行が大量の国債を保有していることは広く知られているとおりであり、銀行が保有する自国国債をリスク資産にカウントするというルールの導入は、日本にとって影響が大きい。

 仮に陰謀論者になって、向こう数年の間に日本国債の暴落(長期金利急上昇)を仕掛けるにはどうすればいいかと想像するなら、このルール変更はたぶん必要で、かつ同時に最も有効なツールの1つだ。

 低インフレ率で短期金利がほぼゼロの現状のまま、国債を売り浴びせて利回りを上げて、実質長期金利だけが高まると、年金基金や生命保険会社は喜んで長期国債を買うだろう。たとえば、公的年金の運用目標は多くの場合、賃金あるいは物価変動を差し引いた「実質リターンの確保」であり、国債への投資でこれを確保できるなら、大喜びだ。

 銀行も、一時的な損失処理には苦労するだろうが、改めて資金運用先を考えるときに、国債が有利かつ無難であることに気づくに違いない。つまり、長期国債には買い手が現れて、売り仕掛けは失敗する。そうした均衡の上に、日銀の国債大量買いがさらに加わっているのが、長期金利を巡る現状の勢力図だ。

 現在の国債保有主体に、国債保有がリスクないしはコストであるという変化をもたらさないと、日本国債への売り仕掛けは上手く行くまい。

 しかし自国債であっても、国債には一定のリスクがあり、金融機関はこれをリスクとして認識して、それに対処できるだけの自己資本を積む必要があるとなれば、国債に対する保有動機はまだまだ残るとしても、現状と比較すると大きく後退する。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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