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シリーズ・日本のアジェンダ「集団的自衛権行使」容認の是非

冷戦時代と安全保障環境は全く違う
解釈変更で行使可能となる理由を語ろう
――自由民主党幹事長 石破 茂

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第4回】 2014年5月23日
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いしば・しげる/1957年生まれ、鳥取県出身。79年慶大法卒、三井銀行入行。86年衆議院議員に初当選。防衛大臣、農林水産大臣などを歴任。2012年自民党幹事長に就任。主な著書に『国防』『日本人のための「集団的自衛権」入門』(いずれも新潮社)など。
Photo by Toshiaki Usami

安倍首相が打ち出した「集団的自衛権行使」を容認する方向で検討するとの方針は、国内外に大きな議論を巻き起こしている。首相を支える与党・自民党は、集団的自衛権行使に関してどのように考えているのだろうか。党を率いる石破茂幹事長に、我が国の安全保障の前提となる国際情勢の変化、憲法解釈の変更で行使は可能とする根拠を聞く。石破幹事長は、政界きっての安全保障問題の政策通でもある。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集長 原 英次郎)

解釈変更で可能な理由

――改めて、集団的自衛権とは何か、個別的自衛権とどう違うかを説明していただけますか?

 集団的自衛権というのは、国連憲章第51条により全ての国に認められた自然権(生まれながらにして持っている権利)的な権利です。個別的自衛権というのは、自国が攻撃をされた場合に、それを排除する権利です。これに対して、集団的自衛権は、自国が攻撃はされていないが、自国と密接な関係がある国が攻撃をされたときに、それを自国に対する攻撃とみなして、共にその攻撃を排除する権利です。

――これまで政府は、憲法第9条によって、集団的自衛権は「保有しているけれども、行使できない」と、解釈・説明してきました。ただ、「自国への攻撃」と「他国への攻撃」では、質が全く異なるので、憲法の解釈を変更するのではなく、必要なら憲法自体を変えるべきだという議論があります。

 憲法が明文で集団的自衛権の行使を禁じているのであれば、当然憲法の改正が必要です。しかし、憲法のどこにも明示的な禁止規定があるわけではなく、政府は憲法9条の解釈として、集団的自衛権の行使はできないと言ってきたのだから、その解釈を変えるべきである、ということです。

 この問題は従来主に憲法9条との関連で議論されてきましたが、日本国憲法は、前文から第10章の最高法規まであります。トータルで憲法が意図する趣旨は前文に記されていますが、その中に「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて」と書いてあります。

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シリーズ・日本のアジェンダ「集団的自衛権行使」容認の是非

5月15日、「安保法制懇」の報告を受け、安倍首相が「集団的自衛権行使」の容認に向け、憲法解釈の変更を行うかどうかの本格的な検討に乗り出す。日本は「集団的自衛権を保有しているものの、行使できない、というのこれまでの政府の解釈だった。これによって、日本は自衛隊を海外に送り出し、武力行使することはできなかった。いかに限定的に運用すると言っても、行使を容認することは、我が国の安全保障政策の大転換となる。そこで、学者、政治家、安全保障の専門の方々に、集団的自衛権行使容認の是非について論じてもらう。日本をどのような方法で守るかは、実はわれわれの生活の大前提。この議論を参考に、一人ひとりが日本の安全について考えていただきたい。

「シリーズ・日本のアジェンダ「集団的自衛権行使」容認の是非」

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