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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

「トップの汚職地帯」で虎の尾を踏み? 再選ならず
かすみがうら前市長が危ぶむ行財政改革の遠い夜明け

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第110回】 2014年9月16日
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選挙に敗れて志半ばで去った
かすみがうら前市長の胸の内

 「私は最初から全開でやりましたので、こういう結果になってしまいました。行政権益に切り込むと職員や各種団体、議員などが猛反発し、潰しにくるのです」

 悔しさを滲ませながら語るのは、茨城県かすみがうら市の宮嶋光昭・前市長。7月13日に投開票された市長選挙で1197票差で敗北し、1期4年で市長ポストを離れることになった。

 宮嶋氏の再選を阻んだのは、前回の選挙でわずか276票差で宮嶋氏に敗北し、1期4年で市長の座から滑り落ちた坪井透氏。2度目の一騎打ちで雪辱を果たし、返り咲いたのである。

 こうしてかすみがうら市は、短期間に政権交代を繰り返す珍しいケースとなった。投票率は62.31%で、前回より5.5ポイント下回った。両者の得票数は、当選した坪井氏が11273票に対し、宮嶋氏は10076票だった。

 茨城県のほぼ中央に位置するかすみがうら市は、2005年3月に千代田町と霞ヶ浦町の2町が合併して生まれた。人口は4万3658人(2014年9月1日現在)で、比率は6対4で旧千代田の方がやや多い。

 かすみがうら市周辺は県下でも有数の農業地帯で、コメや野菜、梨や栗、レンコンなど様々な特産品を誇っている。平地が多く、水も豊富。そのうえ、大消費地に隣接する地の利もあった。経済的にも豊かな地域である。

 かすみがうら市などの県中央部には、さらにもう1つ、名物というべきものがあった。と言っても、他所の地域の人たちに胸を張って自慢できるような類いではなく、むしろ、あまり知られたくない不名誉なものである。

 行政関係者による汚職や不祥事の頻発である。なかでも収賄などで逮捕される市長や町長が相次ぎ、周辺一帯は「トップの汚職地帯」とまで呼ばれている。石岡市や旧八郷町などである。

 かすみがうら市も例外ではなかった。旧千代田町時代に耳を疑いたくなるような不祥事が起きていた。助役に登用されることになった切れ者の町職員が町議に現金を配り、逮捕された。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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