話題の書『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る法』著者で、NHKキャスター歴17年の矢野香氏に、「これをやると、ますます緊張する!やってはいけないワースト5」を伝授してもらった。今回はその後篇。いよいよ「ワースト3」を紹介! あなたも、「NHK式」NG行為を、知らず知らずにやっていないだろうか?
好評だった前回の連載【第7回】で、NHKのアナウンサーでも当然、緊張する。しかし、緊張をコントロールする方法を知っている、という話をしました。
今回は、その続きです。
「これをやると、ますます緊張する! やってはいけないワースト5」。
前回は、ワースト第5位――まったく緊張しない、ワースト第4位――準備不足、まで説明しました。いよいよワースト第3位からワースト第1位を紹介します。
「NHK式」これをやると、ますます緊張する! やってはいけないワースト3
●ワースト第3位――間違った深呼吸
「緊張した。リラックスしなきゃ」
とりあえず深呼吸という方も多いことでしょう。あなたのその深呼吸は、正しい深呼吸でしょうか?
いま、試しにこれを読みながら深呼吸をしてみてください。
はいどうぞ。
いま、「大きく吸って~吐いて~」という深呼吸をしたあなた。
残念ながら間違えです。
「吸って、吐いて~」の深呼吸は、ますます緊張を高めるだけです。
やってはいけません。
なぜならば、緊張状態というのは、身体は過呼吸の状態になっています。そこにまた吸うと、さらに呼吸が苦しくなります。
緊張を解くための深呼吸は、「吸って、吐く」ではなくて、
「吐いて、吸う」です。
まずは、吸うことを考えず吐くのです。
「もう息を吐けない!」と思うまで吐き続け、その後、口を押さえて鼻から息を吸います。
その後は、自然に息をスーっと口から吐きましょう。
このときは、通常の呼吸でOKです。
この深呼吸により、新しい空気をたっぷりと肺に入れ込むことができ緊張が解けます。
●ワースト第2位――手を身体の前で重ねる
この場合の手とは、いわゆるお辞儀をするときの手です。
人前で話すのだから、きちんとした姿勢をとらねば、と思い、「手を身体の前で重ねる」。
これは緊張するためのポーズのようなものです。
やってはいけません。
特に女性に多い例です。マナーとしてよかれと思っているポーズですが、このポーズをとると、身体に余計な力が入り、ますます緊張します。
両手は身体の横に自然に沿わせましょう。
実際におじぎをするときだけ、手を前で重ね、お辞儀が終わったらまた横に戻す。それで十分に丁寧さは伝わります。