もはや止めることはできない!
安倍首相の外遊中に吹きまくる解散風

 安倍首相が外遊に出発した直後から、ここ数日間、解散風が吹きまくっている。各党ともに、年内解散・総選挙で実働部隊は準備に入っている。解散の大義名分は、消費増税延期か否かだ。

 今安倍首相は外遊中であるので、解散風を吹かすには絶妙のタイミングである。17日に帰国するまで、この風は止むことはない。実際、各党の現場は動き出したので、もう止められないだろう。もし、ここで止めれば、麻生政権の二の舞いになる。そして、タイミングを誤った麻生政権は追い込まれ解散となって、歴史的な大敗を喫して政権交代になった。

 今のところ、11月19日(大安)解散-12月14日(友引)総選挙という日程が、有力になっているようだ。この日程は諸般の事情から考えられたので、先月に筆者のコラムで書いたところだ(政策工房 Public Policy Review)。最近出版した拙著『アベノミクスの逆襲』では、消費増税の解散・総選挙にも言及している(9月執筆)が、もう少し書きたかった。

 国民の声を聞くというのは、一般的に望ましい話だ。ところが消費増税では、あまり国民の声を聞かずに決められてきた。

 民主党に政権交代したとき、消費税増税なんて、まったく公約になかった。野田佳彦・元首相は、選挙前に「シロアリを退治しないと増税はしない」と言っていたのに、シロアリのいいなりで消費税増税法を通してしまった。このとき、協力したのが野党であった谷垣自民党だ。野田、谷垣両氏は財務省の産んだ増税双子だった。