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野口悠紀雄 2040年「超高齢化日本」への提言

医療費の自己負担率を引き上げ、
公費負担率を引き下げる必要がある

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第22回】 2014年11月13日
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 これまで見てきたように、医療費は巨額であるうえに、伸び率も高い。それは、医療費の負担に関する制度と関係があるのだろうか? もしあるなら、医療制度にいかなる改革が必要か?

公費負担率が高く、
患者負担率が低い

 前回見たように、日本の医療費は、つぎのような特徴を持っている。

 第1に、費用負担の特徴として、つぎの2点がある。

(1)公費が全財源の中で38.6%という大きな比重を占めている。
(2)患者の窓口負担(自己負担)率が11.9%と、低い。

 第2に、支出の特徴として、高齢者の医療費が大きな比重を占めている(図表1参照)。しかも、伸び率も高い。

 公費負担率が高く、患者負担率が低いのは、患者や医療関係者に本当の医療費を認識させない仕組みだ。これは、支出面の特徴である高齢者医療費比率の高さと関係があるだろうか?

 これが、以下で考えたいと思う主要な問題である。

世代別の給付と負担には
差がある

 医療費に関して上で述べたのは、全体の平均だ。受益と負担の関係を年齢別に見ると、かなりの差がある。この状況は、図表2に示すとおりだ。

 20~59歳層については、医療費より「保険料および自己負担額」のほうが大きい。しかし、60歳以上になると、この関係が逆転し、医療費のほうが「保険料および自己負担額」より大きくなる。

 70~79歳では、医療費が1人当たり年額65.5万円であるのに対し、「保険料および自己負担額」は13.2万円でしかない。自己負担は5万円と、医療費の7.6%でしかない。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 2040年「超高齢化日本」への提言

日本社会は、世界でも稀に見る人口高齢化に直面しており、このため、経済のさまざまな側面で深刻な長期的問題を抱えている。とりわけ深刻なのは社会保障であり、現在の制度が続けば、早晩破綻することが避けられない。この連載では、人口高齢化と日本経済が長期的に直面する問題について検討し、いかなる対策が必要であるかを示すこととしたい。

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