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野口悠紀雄 2040年「超高齢化日本」への提言

高齢者医療費の激増は、
低すぎる自己負担率が原因?

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第21回】 2014年11月6日
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 これまで医療や介護の問題を労働力の観点から見てきたが、以下では費用負担の点から見ることとしよう。ここで問題となるのは、高齢者医療費の比率が大きく、伸び率も高いことだ。この問題は、自己負担率と密接に関係している。

日本の医療保険制度の概要

 医療費の総額については、この連載の第16回で述べた。2012年度の国民医療費は39.2兆円で、GDPに対する比率は8.3%だ。年間伸び率はGDP伸び率より高いので、GDPに対する比率は今後上昇する(その1つの推計は第16回で示した)。

 では、医療費の負担はどうなっているのだろうか?

 財源の内訳を見ると、図表1に示すとおりである。公費が15.1兆円で38.6%(うち、国庫が10.1兆円で25.8%、地方が5兆円で12.8%)、保険料が19.1兆円で48.8%、患者負担が4.7兆円で11.9%となっている。

 日本の医療保険の概要は、図表2(次ページ)に示すとおりだ。大別すると、サラリーマンが加入する被用者保険(職域保険)と、自営業者・サラリーマン退職者などが加入する国民健康保険(地域保険)、そして、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度になる。日本国民は、必ずどこかの医療保険に加入している。

 被用者保険は職業によっていくつかの種類があり、企業のサラリーマンが加入する健保組合と協会けんぽ、公務員が加入する共済組合などに分かれている。

 自己負担率は、70歳未満が3割(義務教育就学前は2割)、70~74歳が2割、75歳以上が1割となっている。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 2040年「超高齢化日本」への提言

日本社会は、世界でも稀に見る人口高齢化に直面しており、このため、経済のさまざまな側面で深刻な長期的問題を抱えている。とりわけ深刻なのは社会保障であり、現在の制度が続けば、早晩破綻することが避けられない。この連載では、人口高齢化と日本経済が長期的に直面する問題について検討し、いかなる対策が必要であるかを示すこととしたい。

「野口悠紀雄 2040年「超高齢化日本」への提言」

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