経営 X 人事
新しい《採用》の科学
【第2回】 2014年11月19日
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服部泰宏 [横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授]

採用を本気で変えたいのか?
2016採用で問われる企業の姿勢

2016年採用から、採用スケジュールが繰り下がる。そのことが採用にどんな影響をもたらすか。経営学の知見を援用して、予測する。

採用繰り下げで予想される
ふたつの変化

 2016年卒から新卒採用の時期を繰り下げる「採用選考に関する指針」が、日本経済団体連合会(経団連)によって発表されました。

 これにより、会社説明会などの広報活動が大学3年生の12月から3月へ、面接などの選考開始が4年生の4月から8月へ、それぞれ後ろ倒しされることになりました。内定時期は4年生の10月に固定されたままになっていますので、結局、企業と学生が採用を目的として接触できる期間が、もともとの11ヵ月から8ヵ月へと短縮されたことになります。

 採用活動期間の短縮化は何をもたらすか。私の予測では、少なくとも2つのことが同時に進行するのではないかと思います。

 1つは就職ナビを活用した採用競争の激化。企業の採用意欲がこのまま減退しないとすれば、これまでよりも短い期間の中で、優秀な学生を引き付け、見きわめ、内定を受け容れさせることを、各社がより必死に行うことになるでしょう。まずこのマスの部分で非常に激しい競争が行われる、というのが1つ目の予測です。

 もう1つは、水面下での採用競争の激化です。近年、一部の優秀な学生の中には、就職ナビを活用せずに自ら企業に自分を売り込み、内定を獲得する人たちが現れ始めています。また企業の側も、そうした学生が集う人材プール(大学のゼミナールなど)に直接アクセスをしたり、インターンシップによってそうした学生を早期に囲い込んだりということを始めています。

 就活ナビを活用した人材獲得競争が、外からも「見える競争」だとしたら、こちらは「見えざる競争」ということになるでしょうか。2016年卒採用以降、こうしたこの見えざる競争がさらに進んでいくというのが2つ目の予測です。

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服部泰宏(はっとり・やすひろ)[横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授]

1980年生まれ。2009年神戸大学大学院経営学研究科マネジメント・システム専攻博士課程を修了し、博士号(経営学)を取得。滋賀大学経済学部専任講師、同准教授を経て、2013年4月から現職。著書に『日本企業の心理的契約 増補改訂版: 組織と従業員の見えざる契約』(白桃書房)など。
 


新しい《採用》の科学

相当なエネルギーと費用を費やしても、なかなか満足度の上がらない企業の採用。人事部門はこの15年ほど、就職サイトを通して母集団形成し採用するという「手順」を踏んできたが、そこに正しいロジックはあったのだろうか。「採用学」を提唱し注目を集める服部泰宏准教授に、採用のプロセスを科学的に分析・解明していただき、「経営に資する採用」のあり方を考える。

「新しい《採用》の科学」

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