アドラー心理学の入門書として55万部のベストセラーとなった『嫌われる勇気』と、キャラクターコンテンツ『BAR 嫌われ野菜』の衝撃のコラボレーション。今回から2回にわたり、なんと『嫌われる勇気』の著者・岸見一郎氏と「嫌われ野菜」の面々による対談をお送りします。さまざまな悩みを抱える野菜たちが、岸見氏との対話でこれまでの生き方を見つめ直していく様は、自分の価値を見出せず後ろ向きに暮らしている人たちに希望を与えることでしょう。今回はまず、セロリとパセリという青臭いコンビの悩みに岸見氏が答えます。(構成:成田耕祐)
誰からも愛される人気野菜にはなれない
【岸見一郎×セロリ】
セロリ
Twitter発のキャラクターコンテンツ『BAR 嫌われ野菜』の主役。28歳にて無職を貫き、親の仕送りでBARに通っているだらしない男。一見どうしようもないように見えるが、素顔はごく普通の心優しい青年。趣味・特技は音楽(ギター)。悩みは「青臭い自分」。その日の気分を表現した変なTシャツを着ている(自宅に500着以上保有)。
Twitterアカウント=@Serori_BKY
セロリ あんまり人間と話す機会がないんで、緊張するな……。岸見先生よろしく。
岸見一郎(以下、岸見) よろしくお願いします。
セロリ 突然なんだけど、今悩んでるんだよね。セロリがどのくらい嫌われがちなのかをインターネットで調べたのさ。そうしたら思っていた以上に俺って嫌われてたんだな……と実感して。今思い返してみると、通りすがりの人たちみんなに「青臭い」とか言われていたなと。この臭いのせいで、俺は嫌われ野菜の頂点に立っているんじゃないかなって考えちゃって……。
岸見 ネットで調べなかったら、今どんな風になっていると思いますか?
セロリ ん〜。おそらく嫌われがちな存在であることに気付かなかったかな。普通にのほほんと暮らしていたと思う。それなのにネットでいざ大量の文字で見たらつらくなってきちゃって……。
岸見 それだけ? つらくなっただけ?
セロリ 実は高校生の弟がいるんだけどね、学校に友だちがいないって話を聞いたことがあるのよ。アイツも俺と同じようにつらい日々を暮らしているのかなと思うと、なんだかセロリでいることが嫌になってくるわけよ。
岸見 あなたはそう思っているかもしれないけど、弟さんも同じように感じているかはわからないと思うけど。
セロリ たしかに……本人の気持ちは聞いたことはないな。