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アフリカ争奪戦

中国のなりふり構わぬ資源外交
テロ襲撃など地元とあつれきも

【第4回】 2008年9月10日
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南アフリカ共和国では複数の中国語新聞が発行されるほど中国人コミュニティが発達している。

 アフリカに対して今、最も積極的にアプローチしているのは中国だろう。なりふり構わぬ手段で資源獲得に走っており、ときには現地社会とのあつれきを生んでいる。

 中国のなりふり構わない姿勢が最も表れたのがスーダンへの進出。1995五年、政府系エネルギー資源会社の中国石油天然ガスはスーダンに進出した。

 当時のスーダンは内戦状態。スーダンの西部に位置するダルフール地方を舞台に内戦が繰り広げられ、死者20万人、難民200万人を生んだ。停戦合意に至ったのは2005年であり、危険を顧みずに油田権益を取りに行ったのだ。

 ダルフール問題ではテロ支援や人権侵害でスーダン政府が国際社会から非難されたため欧米企業は投資を控えてきたが、もともと自国に人権問題を抱える中国としてはなんの問題もないのだろう。

 また投資のやり方も露骨だ。

 アンゴラでは2004年に20億ドルの信用供与を提供。鉄道建設も手伝った。その見返りとして一日当たり1万バレル(1バレルは約159リットル)の購入権を得ただけでなく、翌年には政府系の中国石油化工が海底油田の開発権も手に入れている。

 その結果、中国の原油輸入のうちアフリカへの依存度は31%と高くなった。また日本が中心となり国連などと共催しているTICADに対抗した会議を2000年以降に3回開催したほか、アフリカ最大の銀行の買収、アフリカに中国企業の工業団地を建設するプロジェクトなど、投資がめじろ押しだ。

 東京大学大学院准教授の川島真氏は「中国にはODAという概念がない。非常に実利的でリアリスティックな投資がアフリカに行なわれている」と指摘する。あるODA関係者も「中国のせいでODAの枠組みがズタズタになってしまった。現政権にすり寄るような投資は政権が変わったときに大きなしっぺ返しを食らう。欧米諸国が繰り返してきた失敗を中国も味わうことになるのではないか」と警鐘を鳴らしている。

 実際、中国はアフリカで苦労をしている。2007年、エチオピアで中国石油化工の油田開発現場を反政府系武装集団が襲撃。9人の中国人スタッフと、65人の現地人労働者を殺害し、7人の中国人を連れ去る事件が起こった。

 中国のアフリカへの投資は「ひも付き」の融資がほとんどで、中国企業を採用することが条件であり、地元企業へ利益が落ちない。さらに建設現場労働者を中国本国から連れてきて働かせるケースも多く、地元の雇用にもつながらないため、中国人は地元で敵視されやすいのだ。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 野口達也)

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