阪急阪神リート投資法人の運用を担当する阪急阪神リート投信のメンバー。岡﨑豊茂代表取締役社長(写真中央)が同リートを率いている。
都市型と地域密着型の施設をバランスよく取得
2025年10月で上場20周年を迎えた阪急阪神リート投資法人。その名のとおり、関西の大手私鉄グループである阪急阪神ホールディングスグループをスポンサーとする、関西に拠点を置く唯一のJリートだ。
上場当初の資産規模は500億円ほどだったが、25年5月期は約1800億円と、この20年で3.6倍に増加した。しかも、低収益の物件や含み損を抱えた物件は随時入替えを行っていることで、分配金も着実に増加している。
上場20周年を迎え、今後も成長を続けていきますと語る岡﨑豊茂代表取締役社長。
「25年5月期は、含み損を抱えていた汐留(東京都中央区)のオフィスビルを、より収益性が高い関西の商業物件に入替えたため、1口当たり分配金が予想値より39円高い3319円になりました。われわれは、27年度までに巡航ベース分配金(賃料収入のみを原資とする分配金)を3300円程度とする目標を掲げていますが(下図参照)、ポートフォリオ全体の収益性が大きく改善されたので前倒しで達成できる目途も立ちました」と語るのは、運用会社である阪急阪神リート投信の岡﨑豊茂代表取締役社長だ。
「スポンサーが開発した物件を中心に、梅田の都市型商業施設や、鉄道沿線の地域密着型商業施設をバランスよく取得しています。運用ポートフォリオに占める関西圏の物件は8割強。商業施設の物件の割合も8割強です。その他、東京の物件やオフィスビルなども保有しています(25年10月時点)」(岡﨑さん)
都市型商業施設は、梅田のランドマークの1つである「赤い観覧車」でお馴染みの「HEP FIVE(ヘップファイブ)」、旧梅田貨物駅の跡地を大規模再開発した「グランフロント大阪」など、関西っ子なら誰もが知る人気施設ばかり。地域密着型商業施設は、「阪急西宮ガーデンズ」など、鉄道沿線の居住者が日々買い物をするショッピングセンターなどが代表例だ。
「コロナ後の消費回復やインバウンド客の増加によって、都市型商業施設に入居するテナントの売上は拡大傾向にあります。売上に応じて賃料を増減させる契約を結んでいるテナントが多いので、消費が盛り上がればリートの収益も増える構図になっています」(岡﨑さん)
一方、地域密着型商業施設については、賃料を固定する契約が中心だが、「1テナントに1つの施設を一括して貸す契約が多いので、空き期間が長期化するリスクを抑えられます。地域密着型商業施設で安定的な収益を確保し、景気がよくなれば、都市型商業施設の収益の上振れが期待できるという理想的なポートフォリオを実現しているのです」と岡﨑さんは説明する。
万博が終わった今でも成長期待はさらに続く!
関西といえば、25年は万博でおおいに盛り上がった。閉幕したことで、商業施設の賑わいは下火になってしまうのではないかと、その反動が気になるところだが、岡﨑さんはこう語る。
「大阪・関西万博はどちらかといえば国内客が中心だったので、インバウンド客が大きく減ることは想定していません。むしろ大阪では、30年の開業が見込まれるIR(カジノをはじめとする統合型リゾート)など、今後も大規模開発が目白押しです。まだまだ街の盛り上がりとリートの成長が期待できるので、ぜひ楽しみにしてください」
スポンサーグループが検討している新線計画など都市・交通インフラの整備が進めば、IRの開業と相まって関西はますます盛り上がる。同Jリートの成長を力強く牽引しそうだ。
阪急阪神リート投資法人(証券コード:8977)
資産運用会社 阪急阪神リート投信株式会社
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