スマートフォンアプリを鍵にし、受取人がいなくても荷物を保管できる宅配ボックス『スマート宅配BOX』が、オムニチャネル時代の配送イノベーションとして注目されている。

 経済産業省が2014年の8月に発表したデータによると、2013年の日本のB to C-EC市場は前年比17.4%増の11兆1660億円、全商取引に占めるEC化率は3.67%だった。2020年の市場規模は約20兆円台、EC化率も6~7%に倍増すると予想されている。

 こうした市場拡大に呼応して宅配便の個数は年間36億個(平成25年度国土交通省調べ)と、ここ25年間で約3倍に急増。販売チャネルの拡大に加えて、スマホやタブレッドなど購入デバイスも増え、まさにいつでもどこでも購入できるオムニチャネル時代を迎えたと言われている。

スマホが鍵になり開閉をクラウドで一元管理 <br />一戸建てや店舗にも置ける新しい宅配BOXが注目の的アプリで鍵をかけることができ、荷物が入るとメールで通知が来る。外寸は50cmのキューブ。自在に積み重ねて設置可能だ

 確かにショッピングは便利になった。しかし、受け取りはどうだろう。共働きなどで留守宅が多く、再配送依頼の煩雑さは消費者と配送業者共通の悩みである。そんな課題を一掃するのがスマート宅配BOXだ。

 これまで設置するのが難しかった一戸建てに設置でき、アプリで鍵をかけることができる。宅配業者が荷物を入れてロックすると、消費者にメールで通知。消費者はパスワードを入力してBOXを開け、荷物を受け取る。BOXの開閉履歴はクラウドで一元管理できるので、配送トラブルも防ぐことができる。