Q.米グーグル社などが、民間宇宙開発企業スペースX社に10億ドル(約1180億円)の投資を決めましたが、堀江さんはこの資本参加の狙いや今後の宇宙産業の方向性をどのようご覧になっていますか。(東京都 30代・男性)

衛星コンステレーションの実現へ
宇宙開発はグーグルの優位がより鮮明化

A.スペースX社は、これまでのロケット打ち上げ業者と比べて、およそ半額程度の価額でのロケットの打ち上げを可能にしました。今後、ロケットの1段目の再利用事業が軌道に乗ると、さらにコストが下がると言われています。

 そして、事業として十分な需要を作り出すために、自分たちで衛星の開発事業も立ち上げ、安定したロケットエンジンの量産化も成功させつつあります。

 近年のIT技術の発達やスマートフォン向けなどの安価で高性能なセンサーやプロセッサの開発が急速に進み、これを応用することで衛星の製造コストも安くなりつつあります。

 その結果、「衛星コンステレーション(※)」と呼ばれる、小型衛星を低軌道に多数飛ばすことによる衛星のネットワーク化が可能となり、衛星を用いたより高度で安価あるいは無料のインターネット接続事業なども可能になりつつあります。この分野にグーグルは従来より興味を示しているため、今回の出資に至ったのでしょう。

※衛星コンステレーション(satellite constellation)。「人工衛星の星座」転じて「配置をもった人口衛星群」といった意味。具体的には、特定の方式に基づいた多数の人工衛星の一群やそれを制御するシステムのこと。多くの衛星をシステムで設計されたの軌道に乗せながら、それぞれが協調した動きを行ない、システム全体の目的のために機能するというもの。