若者が考える「ブラック企業」のトンデモな定義深夜残業どころか徹夜を強いられる職場も!?
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 ブラック企業という言葉が一般的になってから久しくなりました。最近、インターネット上で調べてみると、「ブラック企業偏差値」、「ブラック企業大賞」などの文字も目につきます。

 2015年3月に入り、大半の学生は周囲の友人などの様子を見てようやく就職活動をスタートするという時期でしょうか。そこで今回は、これから本格的に就職活動を始める方や、既卒で就職活動をしている方に知ってもらいたい本当の「ブラック企業」とは何か?について書いていきたいと思います。

明確な基準はない「ブラック企業」

 実のところ、現時点でも厚生労働省が「ブラック企業」の定義を明確に打ち出しているわけではありません。しかし、労働基準局には下記の記載がありました。

『一般的な定義としては労働者を長時間労働させる企業やパワーハラスメントなどで労働者を精神的に追い込む企業などがマスコミ等に「ブラック企業」と言われています』(労働基準局資料より抜粋)

 他にも個人的には、「故意に一定期間、設立と倒産を繰り返している企業」「子どもやお年寄りを騙している詐欺会社」などもブラック企業と考えていいのではと思っています。

 近年、この「ブラック企業」と呼ばれる企業は取り締まられるようになりました。例えば、2013年に厚生労働省が発表したブラック企業への労働実態調査は広くニュースでも話題になり、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。実際、違法が疑われた企業のうち82%で違法行為が横行していることがわかっています。

 同じく最近(2015年2月27日)では、厚生労働省が勤労青少年福祉法の一部を改善する法律案要綱をまとめたという報道がありました。法案は3月中旬にも閣議決定して開会中の国会に提出されます。

 内容の一例を見ていくと、「ハローワークは、一定の労働関係法令違反の求人者について、新卒者の求人申し込みを受理しないことができることとする」という一文があります。これは、従来から続くハローワークは求人申し込みを全て受理しなければならないという職業安定法の特例を認めるものです。

 これにより、サービス残業などの違法行為をする企業は受付を拒否されるとともに、新卒3年以内の離職率が3割以下といった一定の条件を満たす中小企業は若者が働きやすい企業として認定されるようです。

 このように、ブラック企業に対しては今後も様々な場所で議論が起こると考えています。ですが、本当にブラック企業を取り締まるだけで問題は解決するのでしょうか。私は企業側の法令遵守だけではなく、働く方にも意識すべきものが存在すると思っています。