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3.11を忘れない~大震災4年目の「今」を問う

日本列島は活動期に
巨大地震・火山噴火に挑む日本の予知力

――長尾年恭・東海大学海洋研究所教授 地震予知研究センター長に聞く

ダイヤモンドオンライン編集部
【第5回】 2015年3月12日
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「想定外」というキーワードで語られる東日本大震災だが、歴史的に見れば、同じ規模の巨大地震は繰り返し起きている。「起こることは確実だが、いつなのか?」という難問に、科学者たちはどのようにアプローチしているのだろうか。東海大学海洋研究所教授で地震予知研究センター長を務める長尾年恭氏に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)

活動期に入った日本列島
西日本で超巨大地震の可能性も

――3.11以降、日本列島は地震や火山噴火の活動期に入ったのでしょうか?

 そもそも、日本は明らかに地震国であり、火山国です。日本の国土面積は世界の0.28%ですが、世界の地震の10%は日本で起きている。火山活動は7~10%です。そして、地震や火山の活動には、揺らぎがあります。つまり「活動期」と「静穏期」があり、行ったり来たりする。今がどうかというと、明らかに活動期に入ったと見るべきでしょう。

この3月3日にはチリ南部の活火山・ビジャリカ山が噴火。日本列島も明らかに活動期に入っており、巨大地震や火山噴火が続くことを覚悟しなければならない
Photo:新華社/アフロ

 東日本大震災では「想定外」という言葉を多くの人が使いましたが、これは正しくない。なぜなら、およそ1100年前に起きた「貞観地震」の記録が残っているからです。

 さらに言えば、貞観地震の9年後に関東で直下型の大地震が起きており、さらにその9年後には「仁和地震」が起きている。仁和地震は、南海トラフ巨大地震のことだと考えられています。

 こうした地震は、各地に残っている古文書をもとに研究されています。代表的な古文書である古事記や日本書紀は700年代に作られたもので、それ以前に関しては地質調査で調べます。

 そして3.11以降の地質調査の結果で、西日本では2000年に1度、超巨大地震が起きていることが分かったのです。南海トラフ巨大地震は、東海地震・東南海地震・南海地震の3連動地震のことですが、2000年周期で、地震の範囲が九州や沖縄まで延びて、かつ非常に大きな規模のもの起きているのです。

 一方、東日本では、貞観地震や3.11クラスの地震が1000年に1度のサイクルで起きている。注意すべきなのは、この西日本での2000年に1度の超巨大地震の少し前に、東日本で巨大地震が起きている点です。

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この3月で、東日本大震災から丸4年が経つ。大震災が日本に投げかけた課題の大きさは、計り知れないものがあった。足取りの遅い被災地の復興、安住の地を見つけられない被災者、心に傷を負ったままの遺族、再稼働の是非について議論が真っ二つに分かれる原発政策、そして今なお抜本的な議論が行われない防災計画――。いずれも多くの課題が残されたまま、時だけが過ぎ、記憶は薄れてゆく。日常で震災関連の報道が極端に減った今、我々メディアは自戒の意味を込めて「大震災4年目の今」を問いたい。3.11は決して「昔話」ではない。そう、「昔話」ではないのである。

「3.11を忘れない~大震災4年目の「今」を問う」

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