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株価は高いのか安いのか、日銀は見解を説明すべきだ

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第376回】 2015年5月13日
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注視はしてもコメントはしない
株価水準は日銀のタブーか?

株価は今や、国民にとっても日銀にとっても重要な問題だ

 日本銀行は、日本の株価水準について、長らく公式にはコメントせずにきた。

 筆者の記憶を辿ると、いわゆる80年代バブルの立ち上がりの時期である1986年頃に、急騰する株価に対して当時の日銀総裁がやや警戒的なコメントをしたところ、特に証券界から、「株式に関して素人である日銀が株価に口を出すのは余計である」といったニュアンスの批判を受けた。

 証券界としては、せっかく株価が上昇して商売が順調なのに、水を差すとはけしからん、という気分であった。投資家も批判に同調的だったし、当時の大手証券会社は政治家に対する影響力が今よりも大きかったので、政界もこの件に関しては日銀に冷たかった。

 これ以降、日銀は、経済の重要な一部として株式市場を注視しているとしながらも、株価水準に関するコメントは公式には行わないという方針を旨としてきたように見える。

 80年代バブル時の推移で言うと、1988年から1989年にかけて日本株価水準は正当化できるかといった議論が起こったときにも、日銀はそこからは距離を取ったままだった。日銀の金融研究所の研究員が研究レポート等で株価に言及する場合もあったように記憶するが、その内容は日銀の公式なコメントではなく研究員個人の見解であることが慎重に注記されてきた。

 株価水準へのコメントは日銀にとって一種の「タブー」であった。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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