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山崎元のマルチスコープ

強気相場も終盤、投資家は「降り方」を考えよう

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第369回】 2015年3月11日
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今は「まだ88年」か、「もう89年」か
1980年代バブルとの類似を振り返る

投資家も、そろそろ「大相場の終わり」を意識した方がよさそうだ(写真はイメージです)

 経済と相場の歴史は単純に繰り返す訳ではない。しかし、資産価格のバブル形成を中心とした循環のパターンはよく似ている。

 ここ2、3年本連載でも取り上げてきたように、アベノミクスのここまでの展開は1980年代後半の日本のバブル時代に似ている。

 過去はおおむねこんな感じだった。1985年、プラザ合意があって円高になり不況となる。1986年、公定歩合が4回下がる日銀の金融緩和を背景に株価が急上昇し、1987年はブラックマンデーによる株価下落があったが、かえってそのおかげで「世界経済に対する責任」から日本は金融緩和の維持と拡張的な財政政策を行うことになり、1988年を通じて株価・地価が本格的にバブル化し、株価は1989年に最後の仕上げをして、1990年初から急落しバブル崩壊が始まる、というのが大まかな流れだった。

 今回はどうか。民主党政権が終わる頃まで続いたデフレ的金融政策による円高・不況が85年に相当しよう。アベノミクスの大規模金融緩和による株高はまさに86年の感じだった。その後、「2%のインフレ目標」達成まで継続が約束されている(と解釈される)金融緩和に基づいて買い上がる現在の株価と不動産価格上昇、といった流れが1988年あたりの状況に対応している。「世界経済に対する責任」と「2%のインフレ目標」といった理由の違いはあるが、金融緩和状態の継続と長期金利の低金利(それぞれの時期の前後と比較して)がもたらされていることは同じだ。

 異なるのは、日本経済の成長率の低下と経済のグローバル化・資本市場の世界的連動の強化だ。

 特に株式市場の参加者にとって問題なのは、現在が1980年代バブルの時期に換算して、まだ1988年なのか、もう1989年に相当するのかだ。「もう」であるとしても「まだ」であるとしても、強気相場はいずれ終わる。金融緩和から始まった一相場の終わり方がどのようなものになるか、そろそろ考えておくべき時期ではないか。天井はまだ先かもしれないが、「転ばぬ先の杖」の意味もある。

 ちなみに筆者は、個人的には「早めに降りたくなる」タイプだが、大きな盛り上がりには欠けるものの、相場はそろそろ1989年相当の時期、つまり終盤に差し掛かっているのではないかという判断に傾いている(「株屋の勘」ほどアテにならないものはないので、読者は気にしないでほしい)。以下、そう思わない読者もご一緒に考えてみてほしい。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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