ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方

オリンピックで考える企業のCSR活動

保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]
【第44回】 2010年2月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

オリンピック選手は
企業にとって宣伝広告塔かCSRか

 オリンピックを見ていると、選手はさまざまな企業に所属していることが分かる。男子スピードスケートでメダルを取った長島圭一郎選手、加藤条治選手は男子スケート選手ともに日本電産サンキョーに属し、女子スピードスケートで入賞をした小平奈緒選手は相沢病院の所属。フィギュアスケートの安藤美姫選手のようにトヨタという誰もが知っている企業に属している選手もいるが、それほど知名度が高いわけではない企業が結構多くオリンピック選手を雇用していることが分かる。

 メダルを獲得した選手はメディアから引っ張りだことなり、所属する企業名も広く知れ渡ることになる。宣伝広告としての効果は大きいだろう。

 ただ、日本人選手100名強が出場する舞台において、メダルを獲得できる選手は一握りである。あるいは、そのもっと前の段階で、オリンピックを目指していたものの出場できなかった選手も含めると、メダルを獲得して企業の宣伝広告の役割を果たしうる選手というのは、それこそフィギュアの選手などごく限られたものである。企業にとって、オリンピックを目指す選手を抱えることの投資効果(ROI)を考えると、ほとんどの場合は見合わないと思われる。

 しかし、オリンピックは、メダルを獲得する選手だけが感動を与えてくれるわけではない。ジャンプ陣では30代後半の選手がいるし、スケルトンの選手は45歳である。彼らはメダルを獲得していないが、彼らを見て「よし俺も頑張ろう」と思った日本人中年男性は私を含め多いと思う。

 その他、毎日放送されるオリンピック特集を見ていると、さまざまな競技で。「あ、こんなところにも」と思う選手の頑張りが伝えられ、日々感動をいただいている。感動を与えてくれるのは選手たちだが、その裏で選手の活動を支える所属企業の貢献は非常に大きい。まさに社会貢献、CSRである。

CSRは企業収益や株式投資に
効果があるか?

 企業はCSRに取り組むべきというのは、長年言われていることである。企業は公器であり、利益の一部を社会に還元すべきという発想は、誰にも受け入れられやすい。株式投資の世界でも、CSRに積極的な企業に投資をするSRI(Social Responsibility Investment)なるものが存在する。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
保田隆明氏の著書「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」好評発売中!

経済・金融のグローバル化に伴い、企業を取り巻く環境は複雑化。ビジネスパーソンにとっても、経営戦略とファインスに関する知識は不可欠になっています。本書では、資金調達やM&Aなど、経営戦略とファイナンスの関係を基本から徹底解説します。 2100円(税込)

話題の記事

保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]

1974年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師。リーマン・ブラザーズ証券(東京/ニューヨーク)、UBS証券東京支店で投資銀行業務に携わる。その後、起業、投資ファンド運用等を経て、10年より小樽商科大学大学院准教授、14年より昭和女子大学准教授、2015年9月より現職。雑誌、テレビや講演で金融・経済をわかりやすく解説する。著書は「あわせて学ぶ会計&ファイナンス入門講座」「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」(ともにダイヤモンド社)ほか多数。早大院商学研究科博士後期課程満期退学。
保田氏ブログ

 


保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方

仕事と両立しながら大学院に通い始めた保田隆明が、大学院で学ぶからこそ見えてきた新しい視点で、世の中の「経済・金融ニュース」をわかりやすく解説する。

「保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方」

⇒バックナンバー一覧