ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
小宮一慶の週末経営塾

社長の独断に異議を唱えられない「取締役会の責任」

小宮一慶
【第6回】 2015年5月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

スカイマークの
判断ミスとは?

決断を誤って破綻したスカイマーク

 このところ、再生処理をめぐって、スカイマークが再び注目されています。航空機をリースしている米企業と多額の違約金を請求している欧州のエアバスが、再建案を拒否する構えを示しているからです。

 両社で債権額の過半数を超えるので、もし、このまま両社が再建案拒否を貫けば、民事再生法によるスカイマークの再建案はもう一度、練り直しということになります。再建のカギを握るANAが、スカイマークが発注した機材を引き継ぐことに難色を示していることなどが原因となっています。

 今回は、スカイマークの破綻に際して、何が大きな問題となっていたかということを、同社の財務諸表を分析しながら考えていきましょう。

 スカイマークはこのところ業績が振るいませんでしたが、同社が破綻した直接の原因は、エアバス社の大型機A380の6機の購入を決定したことです。これが一番の判断ミスです。

 業績好調時に1915億円で購入する契約を結んだのですが、業績が悪化し、支払いが滞り、エアバス社から解約を通知されたのです。同社の損益計算書を見ると、平成25年3月期に約47億円あった営業利益が、26年3月期には25億円の赤字となっています。それ以前には100億円以上の営業利益を出していたこともありました。

 損益の悪化がエアバス購入契約の解約の大きな理由であることは間違いありませんが、私は、スカイマークがA380、それもそれを6機も購入しようとしたことにもともと大きな無理があった、というよりは無謀だったと考えています。判断ミスを犯したのです。損益計算書だけでなく貸借対照表も見ないと同社の実力は分かりません。

 貸借対照表では、破綻直前の通年決算となる26年3月末の同社の総資産は787億円しかありません。その会社が1915億円もの買い物をすることに無理があるのです。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


小宮一慶の週末経営塾

経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

「小宮一慶の週末経営塾」

⇒バックナンバー一覧