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野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

インターネットが生む「フリーの専門家」という仕事

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第19回】 2015年7月2日
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 アメリカではフリーランサーが増加している。伝統的に自営業者が多い農業、小売店、建築業者ではなく、専門的職業において増加している。

 重要なのは、インターネット上で提供されるプラットフォームが、そうした傾向を加速していることだ。以下では、この状況を見ることとしよう。

インターネットの利用で
増加するフリーランサー

 アメリカのトップクラスのベンチャーキャピタルであるKPCB(Kleiner Perkins Caufield Byers)が毎年発表している「インターネット・トレンド」の2015年版では、インターネットを通じて作り出されたオンライン・プラットフォームと市場を利用して、フレキシブルな仕事につく人々が増加している状況を分析している(このレポートの概略の翻訳は、ここに掲載したので参照されたい)。

 まず、「フリーランス」とは、特定の企業や組織に所属せず、独立して事業を行なう個人を指す。こうした形態で事業を行なう人たちを、フリーランサーと言う。ライター、デザイナー、コンサルタントなどにフリーランサーが多い。

 KPCBのレポートは、フリーランサーをつぎのように分類している。

(1)独立した契約者
 現在アメリカに2100万人いる。40%がフリーランサーだ。雇用主はいない。プロジェクトごとに契約し、一時的または補助的な仕事をフリーランスで行なう。

(2)ムーンライターズ(夜間労働者)
 現在アメリカに1400万人いる。27%がフリーランサーだ。伝統的な職場での専門職であって、その合間にフリーランスでの仕事を行なう。

(3)複数の仕事を持つ労働者
 現在アメリカに900万人いる。18%がフリーランサーだ。伝統的な仕事とフリーランスをミックスさせ、複数収入源を持つ。

(4)一時的労働者
 現在アメリカに600万人いる。10%がフリーランサーだ。雇用主や契約者は単一。ただし、就業は一時的。

(5)自分をフリーランサーと考えるビジネスオーナー
 現在アメリカに300万人いる。5%がフリーランサーだ。1~5人の従業員を持つビジネスオーナー。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて

アメリカが金融緩和を終了し、日欧は金融緩和を進める。こうした逆方向の金融政策が、いつまで続くのだろうか? それは何をもたらすか? その先にある新しい経済秩序はどのようなものか? 円安がさらに進むと、所得分配の歪みはさらに拡大することにならないか? 他方で、日本の産業構造の改革は遅々として進まない。新しい経済秩序を実現するには、何が必要か?

「野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて」

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