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日本の神さまと 上手に暮らす法 ― 神さまのいる毎日を過ごしませんか?
【第12回】 2015年7月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
中村真

御朱印帳とお礼参りのルール、
ちゃんと知っていますか?

通算参拝数1万回の「日本の神さまと上手に暮らす法」の著者・尾道自由大学校長・中村真氏が「神さまのいるライフスタイル」を提案します! 日本の神さまを意識することで、心が整い、毎日が充実する。そして、神社巡りは本来のあなたに出会える素晴らしい旅だと伝えてくれます。
神社への参拝をし始めると、「御朱印帳を使ってみたいな」や「お礼参りをした方がよいのかしら」などが気になってくるものではないでしょうか。これからの神社との付き合い方を考える一歩としてルールを考えてみませんか?

御朱印帳はスタンプ帳ではない

 神社にお参りする習慣ができてきたら、お参り道具として、〈御朱印帳〉を持参するといいでしょう。神社名やお祀りしてある神さまの名前が記された〈御朱印〉をいただくためのノートです。

 御朱印は印章だけのところもありますし、神主さんが参拝日時や神社名の墨書きを、赤い印章に添えてくださるところもあります。社務所か御朱印の窓口でお願いしましょう。
 御朱印は神さまの名前も記された、お札と同じようなもの。お参りのしるしであり、神さまとの出会いを心に刻むための大切な記録です。神社でもお寺でももらえるもので、由来は諸説あります。

 「神社オリジナルのスタンプを集めるって、スタンプラリーみたいなもんですよね?」
 こんなことを言う人もいますし、カジュアルに神さまと仲良くするのも悪くないとは思いますが、本質的には違うものだと僕は思います。
 スタンプラリーの楽しみは、全部のスタンプを集めること。子ども向けのイベントで、「山手線の駅ごとに人気キャラクターのスタンプが用意されている」といったものがありますが、子どもたちはコンプリートを目指します。商店街のスタンプラリーもまた、スタンプを全部集めて景品をもらうことが目的であり、楽しみです。
 いっぽう御朱印の楽しみは、全部集めることではなく、一つ一つの神社との出会いにあります。だいたい日本全国の御朱印を全部揃えるというのは、ほぼ不可能でしょう。

 人生のなかで出会った神さまの記録。

 そんな思いのこもった御朱印帳を持参する。それが僕のやり方です。スタンプラリーの起源は宗教的な巡礼にあるとか、御朱印帳が広まったのは四国八八ヵ所の霊場を巡るお遍路さんからといった説があるほどですから、“巡礼のしるし”くらいの気持ちがあってもいいのではないでしょうか。
 参拝者が自分で捺せるように御朱印が置いてある神社もありますが、適当なノートや手帳にポンと捺したり、拝観料を納めたときにくださるパンフレットに御朱印をいただいたりというのはやめましょう

 趣向を凝らしたすばらしい御朱印帳を用意している神社もたくさんありますし、文具店でも手に入ります。無地の御朱印帳を購入して自分で好きなデザインを施し、世界で一つだけの御朱印帳をつくっても思いがこもります

◆今回の気付き
自分らしい御朱印帳を用意する

お礼参りにルールはない

 「お参りに行って、誓いを立てた。そのあと、お礼参りは必要だろうか?」
「神社でお札、お守り、破魔矢、商売繁盛の熊手をいただいてきた。毎年お返しして新しいものにするほうがいいのか?」

 こうした質問をいただくことがよくあります。何かしらの法則やマナーがあって、そのとおりにしなければ祟りがあると心配している人もいるようです。
 「〇〇しなきゃいけません」は不思議な言葉で、人に義務感を与えることもあれば、安心感を与えることもあります。特に神さまが絡むと、「昔からこのように決まっているから、こうしなさい」と言うだけで、絶大な説得力があるでしょう。

 安心できるのはいいことですが、義務感というのはきゅうくつです。神さまという目に見えない存在と素の自分でつきあいたいのに、誰かに決められたルールに従って安心や義務を“与えてもらう”というのは、何か違う気がします。

 さらに、「昔から決まっている」と言っても、「昔」の範囲は恐ろしく広い。
 古代日本の昔と奈良時代の昔とではルールが違います。平安、戦国、江戸、明治、近代社会になってもルールは変わり続けているのですから、さほど神経質にならなくてもいいと思うのです。

 そんな僕も、「お礼参りなんていらない」とは思いません。
 人に言われたスケジュールに従うのではなく、自分で「ああ、そろそろお礼参りに行こう」と思って行く。「今のお札をお炊き上げし、新しいものをいただいてこよう」と感じたときに神社に行く。このくらいの自由さを、神さまは許してくれると思っています
「こうしてみたいな」「あれができなかったら次はこうしてみよう」と感じ、思い、決めて、素直に行動をするほうが、本質的な神さまとのつきあい方ではないかと、僕はとらえているのです。

 「伊勢神宮にお参りに行ったら、お礼参りも伊勢神宮」と言う人もいますが、別の神社でもかまわないというのが僕の解釈です。
 考えてみれば、昔の人にとって“お伊勢参り”というのは一生に一度、行けるか行けないかの大イベント。近所の神社以外のところにお参りした場合、同じ神社にお礼参りをするというのは難しかったのではないでしょうか。
「出雲大社のお礼参りであれば、同じ大国主命が祀られている神田明神を選ぶ」というくらいの気遣いはしますが、あまりこだわらなくていい気がしています。

「お守りもお札も、一度いただいたものは、一生大事にしていけばいいのでは?」

 こんな質問を神道の専門家に投げかけると、「神さまにいただいたものだから、そのとおりです」という意見もあれば、「一年に一回、買い替えなきゃいけません」という意見もあります。これまた、絶対の答えはありません。
 ほとんどの人が農業に従事していた時代は、春の祭りに手にしたものを、次の年の春の祭りの前には処分をして、新しい種まきを始めるという意味があったのかもしれませんが、それも神さまではなく人が決めたこと。
 僕はいろいろな神社に行っているので、お守りやお札はどんどんたまっていきます。あまりに増えすぎると、その時期にご縁のあった神社に持参して、すべて奉納してしまいます。それで新しいお札をいただいてくるので、買い替えということになるのでしょうか。いずれにしろ、一年一回といったスケジュールはつくらずにやっています。

 次回は、神さまに出会う旅についてお伝えします。観光のルーツは神さまにあったと知っていましたか?

◆今回の気付き
神さまを思う気持ちを持ったときが神社に行くタイミング

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中村真 [尾道自由大学校長/「神社学」教授]

尾道自由大学校長。「神社学」教授。1972年東京生まれ。学生時代より世界中を旅したことで日本の魅力に改めて気づき、温泉と神社を巡る日本一周を3度実行。日本の魅力を再発見していく中で、とことん神社に心を奪われる。これまでに参拝した回数は1万回以上。自由大学にて教鞭をとる「神社学」は、初心者にも「わかりやすい」「面白い」と好評で、毎回満員の人気授業となっている。2013年には「尾道自由大学」を開校し、校長に就任。また、雑誌「ecocolo」や書籍を発行する出版社の代表を務め、現在はイマジン株式会社代表として、五感に響く出版、イベント、広告などのプランニングや、社会貢献プログラムなど様々な活動を展開している。神社検索アプリ「THE神社」を企画・制作・運営するなど、神さまのいるライフスタイルを提案することで、生きる希望を広めることを使命としている。


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