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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

勘違いするボリビアのモラレス大統領
商社のリチウム権益投資には課題山積

週刊ダイヤモンド編集部
2010年1月27日
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モラレス大統領(右)
昨年12月に再選を果たしたモラレス大統領(右)。強硬姿勢を強めてきそうだ。
Photo(c)AP Images

 日本でも自動車メーカーなどを中心にリチウムの安定調達を望む声は根強く、総合商社が権益確保に奔走している。

 2008年の全世界のリチウム需要は約12万トン。なかでも充電できるリチウムイオン電池の需要が急増している。リチウムは南米に生産が集中しているが、最近特に脚光を浴びているのが、世界のリチウム埋蔵量の半分近くが眠るとされるボリビアのウユニ塩湖だ。その権益をめぐって韓国、フランス、中国などがしのぎを削る。日本勢では三菱商事と住友商事がJOGMECとの官民連合を組んで権益確保に動いている。

 しかし、ボリビアの急進左派モラレス大統領は技術協力や資金援助を求めながらも、権益はいっさい渡さない方針を鮮明にしており、共同開発を望む日本連合との協議は平行線のままだ。モラレス大統領は自国への技術移転を進めたい考えで、リチウムイオン電池の工場建設を求めるなど、その資源ナショナリズム的姿勢がクローズアップされてきた。

 一方、日本側関係者は「モラレス大統領はウユニ塩湖のリチウムが世界的に不可欠であるかのように勘違いしているが決してそうではない」と釘を刺す。また、マグネシウム濃度が高いウユニ塩湖のリチウムは抽出が難しく、ボリビアの技術力だけでは不可能。日本側はボリビアが泣きついてくるまでは基本的に待ちのスタンスだ。

 ウユニ塩湖から持ち帰ったサンプルの実験結果も重要な部分はボリビア側には明かしていないとされ、双方のあいだで我慢比べのような駆け引きが繰り広げられている。

 三井物産はカナダ資源会社から鉱石系リチウムの極東向け独占販売権を獲得。双日は中国内陸部の塩湖系リチウムの権益を狙って現地の企業と交渉中だ。しかしいずれの案件も価格競争力や技術面に課題を抱えており、果実を得るまでのハードルは高い。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 山口圭介)

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