なぜ、1行家計簿を使うと、
お金がどんどん貯まるのか?

「家計簿を使う目的は、ムダな出費を抑えて、浮いたお金を、本当に使いたいものに使うことではないのか」と考えるようになりました。であるなら、「従来の家計簿のように、すべての項目について書く必要はないのではないか?」という疑問を強く持つようになったのです。

水道光熱費や家賃などの「日常生活に欠かせない出費」「大きく変動しない出費」を家計簿に書いてもあまり意味がないのです。

 たとえば、引越でもしない限り、「今月の家賃は、先月の3倍もかかった」ということはまずありません。水道代やガス代も同様です。

 しかし、「今月の飲み会代、先月の3倍かかっちゃった」ということは起こりがちです。そして“ムダづかい”は、この「つい使ってしまいがちな出費」に潜んでいることが多いのです。身に覚えはありませんか?

 そう考えると、この「つい使ってしまいがちな出費」だけを把握しておけば、「ムダづかいを減らす・見直す」という目的のためには十分ではないか。これが「1行家計簿」誕生のきっかけでした。この「つい使ってしまいがちな出費」は飲み会代だけではありません。

・出勤前のコーヒー
・口さみしくて買ってしまうお菓子
・晩酌用の缶ビールとおつまみ
・気がついたら吸ってしまうタバコ
・バーゲンで衝動的に買ってしまう服

 数え上げればきりがありません。こうした出費に心当たりはないでしょうか? そして、こうした出費に「自分がいくら使っているか」を把握していますか?

 これらの「つい使ってしまいがちな出費」を記録することで、自覚しにくかったムダづかいを把握する。ムダづかいを削り、浮いたお金を本当に使いたいことのために使ったり、貯めたりする。さらには、お金の使い方を記録することで、自分の思考・行動のクセを見直し、コントロールしていく。そのためのツールが「1行家計簿」なのです。