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特別対談 中小企業だからこそ 変革やイノベーションが可能だ

特別対談
中小企業だからこそ
変革やイノベーションが可能だ

著者・コラム紹介
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景気が次第に復調し、グローバル化が進む日本経済の中で、中小企業の経営者は、今何を考え、その軸足をどこに置くべきなのか。東京大学大学院経済学研究所・経済学部の伊藤元重教授と、ダイヤモンド経営者倶楽部の徳力しげる代表が、2015年秋からの経済見通しや、中小企業の成長の可能性、経営者に求められる資質について、語り合った。

伊藤 現在の経済状況は、良い面と悪い面が混在している状況。伸びる産業は伸びているけれど、経営を間違えた企業はかなり早い段階で駄目になっています。足元で投資は伸びていて、企業収益も増え、雇用も強いけれど、逆に人手不足が深刻になっている。中国や新興国のリスクをにらみながら、この強さを持続的に伸ばしていけるかが課題と言えます。

徳力 私は中小企業の経営者の方々と毎日のように会っているのですが、今年の前半あたりから、言い方は悪いですが皆さん羽振りがいい。実質的にお金が動いているのだと実感しています。ただし皆さん楽観的で、中長期的な見方をされていないのが気になります。

伊藤 取りあえ東京オリンピックまで、というトレンドは今のビジネスにとって重要なことだと思います。言い方を変えれば、オリンピックまでの動きが将来につながってゆく。例えば今人手不足が深刻ですが、人海戦術が必要な警備会社などは、これを機にシステムのIT化を進めたり、ロボットを警備の現場に積極的に導入する。そうすることでオリンピック後も競争力の高いビジネスモデルを築くことができるのです。

徳力 大切なのはスピードだと思いますね。フットワークの軽い中小企業だからこそ、世の中のさまざまな課題に対して、迅速に提案をしていける。今はチャンスがたくさんあると思います。例えばネット上のアプリは多言語で何百万種類もある。その中でLINEなどはちょっとした隙間を見つけて大成功した。利用者側との利害関係が一致すると、スピードのある変革やイノベーションが可能になる時代だと思います。

伊藤 もともとイノベーションには2種類あって、一つは既存の技術を研ぎ澄ませる改良型のイノベーションで、これは大企業が得意です。一方で、世の中の既存のものを破壊する技術がある。これは既存のビジネスと利害関係のない中小企業だからできるもので、この両者が同時に動いているのが、健全なイノベーションのある社会。今の日本に必要なのは破壊型のイノベーションで、それを増やしていくことが日本経済には重要なのです。

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