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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

ロボットと人間が対立せず、
楽しく共生できる社会づくりとは?

鈴木寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]
【第39回】 2015年10月8日
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お台場から世界へ最先端技術を発信
ユニバーサル未来社会推進協発足の意義

将来、AI(人口知能)が人間の仕事を奪ってしまうのでは――。そんな不安の声も聞こえてくるようになったが、ロボットと人間が対立せず、楽しく共生することはできないものか

 こんにちは、鈴木寛です。

 私はラグビー・ワールドカップ(W杯)でイギリスに1週間行って参りました。新国立競技場を2019年のラグビーW杯で利用できなくなったことを受けて、その事後対応です。

 一部で報じられましたが、新国立競技場の計画見直しを受け、統括団体であるワールドラグビー(WR)関係者の中には、「日本がラグビーをリスペクトしておらず、開催を白紙にして南アに変更すべき」との声も浮上していました。渡英してすぐに、WRのラパセ会長、ゴスパーCEOにお会いし、下村大臣、黒岩祐治・神奈川県知事、林文子・横浜市長の親書をお渡しし、この間の日本の対応についてお詫びと横浜スタジアムのポテンシャルをご説明しながら、引き続き日本開催でWR内部を説得いただくよう私からもお願いしました。

 2019年ラグビーW杯組織委員会の嶋津昭・事務総長らの説得、折衝のお蔭で、新国立競技場を使わずに開催することについてコンセンサスを得る道筋が、おおむね立ちました。少し安堵いたしました。

 ブライトンで行われた日本の初戦では、W杯を2度制覇した南アフリカを破る歴史的な大金星を見届ける幸運に恵まれました。4年後を見据え、大会運営の様子を実際にリアルタイムで見ておくことはもちろんのこと、サッカーW杯のときも書きましたように、国際大会は重要なスポーツ外交の場です。南ア戦の劇的勝利は、まさに協会関係者の印象を一挙に好転させる材料になると確信しています。

 その2019年ラグビーW杯、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックにも関連する話ですが、私が日本を発つ直前の9月15日、文部科学省において「ユニバーサル未来社会推進協議会」が設立されました。協議会の目的は、「先端ロボット技術におけるユニバーサル未来社会の実現」です。宇宙飛行士の毛利衛さん(日本科学未来館館長)に顧問をお願いし、私が会長を拝命しました。そして、後述するように、ロボット技術研究の第一人者の皆様にお集まりいただきました。

 ラグビーW杯、オリンピック・パラリンピックなどの国際大会を機に、世界中からたくさんのスポーツファン、観光客がやって来ます。その方々の主目的は当然、自国チームの応援であり、大会に感動していただいてお帰りいただきたいと思いますが、この協議会では、世界中の注目が集まるチャンスを生かし、人工知能(AI)やロボットを始めとする最先端技術に触れて、その体験を持ち帰ってもらおう、というプロジェクトを進めていきます。オリンピックのトライアスロンの会場やメディアセンターが近くにあるお台場を会場に、ロボットがパフォーマンスを披露することを想定しています。

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鈴木 寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]

すずき・かん/元文部科学副大臣、参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から文部科学大臣補佐官として大学入試改革などを担当している。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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