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小宮一慶の週末経営塾

「正しい判断基準」を持つためにリーダーは何を学ぶべきか?

小宮一慶
【第24回】 2015年10月17日
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リーダーは優柔不断ではいけない

 リーダーの最も重要な仕事は、正しい「方向づけ」を行うことですが、そのためには「断を下す」ことが必要です。

小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助さんは、ビジネスは平坦な一本道ばかりではない、右の道と左の道、どちらへ進むべきか本当に迷う分岐点が必ず現れると言っています。優柔不断なリーダーは分岐点の前で逡巡し、決断が下せません。リーダーが行くべき道を示してくれなければ従っている部下は混乱し不安が広がります。それでは力も十分に出ません。

 なぜ決断できないのでしょうか。失敗を恐れているのか、保身を図ろうとしているのか、自信がないのか、理由はいろいろ浮かびますが、真の理由はリーダー自身が「判断基準」を持っていないことです。

 判断基準を持つためにはビジネスを見る目が必要です。ビジネスを見る目は経験によって養われる面もありますが、新規事業に進出するようなケースでは、経験豊富なリーダーであってもその分野は未体験です。それでも優れたリーダーが決断を下せる理由は2つあります。

 1つ目は「お客さまや社会を見ている」こと。新規事業には最初からお客さまはいませんが、それを手がけているライバル企業にはお客さまがついています。そのお客さまに対し、ライバル企業はどのようなQPS(クオリティー、プライス、サービス)を提供しているのかを常に研究し判断基準を持っているから、未体験の分野に踏み込んでも素早い決断ができるのです。

 そのためには、専門性を持つことと、「ライバルなんか大したことがない」とか、「あのライバルには勝てっこない」などと言ったバイアス(偏見)を除くことが大切です。それには、とくに、素直さ謙虚さが必要なことは言うまでもありません。

 2つめは「正しい価値観」を判断基準としていること。ライバル企業と市場で戦うための戦略・戦術はとても大事ですが、その前に、自分(自社)がやろうとしていることは正しい価値観に基づいているのかを判断しなければなりません。ピーター・ドラッカーは、事業の「目的」ということをとても重要視していますが、何のためにその事業を行うのかということがとても大切なのです。

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小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


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経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

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