それはドラギECB(欧州中央銀行)総裁からやって来たクリスマスプレゼントから始まった。10月22日の政策理事会後の会見で債券買い入れ額をさらに拡大したり、既にマイナス金利になっている中銀預金金利をさらに引き下げたりすることを検討し、次回12月3日の政策理事会で追加金融緩和に踏み切ることを示唆した。
中国も26日からの五中全会の前に預金準備率と貸出金利を引き下げた。
FRB(米連邦準備制度理事会)は27日から28日にかけて開かれたFOMC(米連邦公開市場委員会)で9月に続いて利上げを見送り、政策当局が経済活動や資産価格を支えようとする姿勢が鮮明になりつつある。
長期慢性化している緩和状態の維持や追加が実体景気にどの程度の浮揚効果を及ぼすのか。金融緩和という「モルヒネ」に慣れてしまった投資家も次第にその効能に懐疑的になってきている。従って、政策効果が長続きすると考えることは危険だ。
しかしながら、過度な悲観を織り込んだ金融市場では、当面、政策対応を好感する展開が続くだろう。特にECBによる追加緩和が実施されれば、金融市場に及ぼすプラス効果はFRBや後述する日本銀行よりも大きい。