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金融市場異論百出

ギリシャ危機対応策で意外感
ECB国債買い入れは時間稼ぎ

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2010年5月19日
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 ギリシャ危機が他のユーロ加盟国に“伝染”するのを防ぐため、5月10日に欧州各国政府、IMF、ECBは緊急安定化策を発表した。各国政府、IMFが用意する総額7500億ユーロは、市場を落ち着かせるための“見せガネ”としてはひとまず十分な金額だった。

 しかし今後は、ギリシャの財政再建策が実際に成功するのかどうかが注目される。そこに再び疑念が生じると、金融市場が再び不安定化する恐れはある。

 10日の欧州当局の発表でいちばん意外感があったのは、ECBによる国債買い入れ策である。6日の記者会見の冒頭で「なぜギリシャ国債を購入しないのか?」と聞かれたトリシェECB総裁は「われわれはそれを議論していない」と答えていた。

続く2人の記者もしつこく同じ質問を繰り返したが、彼は「先ほども言ったようにわれわれは議論していない」「議論していない。ほかに言うことはない」と返答していた。

 それが一転し、10日にECBはゴーサインを出し、傘下の加盟中央銀行はギリシャ、ポルトガルなどの国債の買い入れを開始した。

 その決定にドイツ・ブンデスバンクのウェーバー総裁ら一部は強く反対した模様だが、トリシェの出身国であるフランスのテレビ局F2は10日に、「トリシェ総裁はユーロ圏政府の圧力に屈した」と報じていた。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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