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今週のキーワード 真壁昭夫

中国の拡張主義を世界は堂々と糾弾すべき

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第405回】 2015年12月1日
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APEC首脳会議で
米中が激しいつばぜり合い

 11月中旬、マニラで行われたAPEC(Asia-Pacific Economic Cooperation=アジア太平洋経済協力会議)で最も注目されたポイントは、南シナ海での中国の人工島建設に係る米中の激しいつばぜり合いだった。

 人工島建設問題や領土問題を抱える、わが国をはじめとしたアジア諸国にとって、今回のAPECは、拡張主義を鮮明にする中国に対して、米国の発言力を背景に抑止力を働かせる好機だった。

 今回のAPECで、米中が激しいせめぎ合いを行ったのはほぼ期待通りのプロセスで、その結果、親中国のスタンスを取るミャンマーやカンボジアを除く、アジア諸国の多くがその拡張主義に明確に反対の態度を示したことは、それなりの抑止力として作用するだろう。

 特に、会議直前に、米国が南シナ海の人工島周辺に艦船を派遣して“航行の自由”の原則を実践し、さらに同海域に爆撃機を飛行させたことは、反中国のスタンスを取るアジア諸国にとって大きな要素となった。

 一方、中国は、会議前に人工島を議題にすることを避けるよう、いくつかの国と個別に折衝を行ったり、経済援助などを条件に親中国のスタンスを明確にするよう根回しをしたりした。

 今のところ、中国は主張のトーンを落としているものの、領土拡張主義を諦めることはない。わが国やアジア諸国は、今後とも同国を監視し、国際法上許容されるべきではない人工島建設には粘り強く反対の態度を示すことが必要だ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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