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部下をもつ人の職場の人間関係
【第1回】 2015年12月2日
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水島広子 [精神科医]

職場のストレスを放置していませんか?

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最近、うつ病など心を病む人が増えています。その理由として上位に並ぶのが、対人関係の問題です。会社は多くの人が集まる場所であり、そこには、上司や先輩、同僚、部下や取引先など、多くの人間関係が生じます。それら錯綜する人間関係は、いずれもストレス要因になり得ます。職場のストレスをなくし、働きやすい環境をつくるのは、現場を預かる管理職やリーダーの仕事のうち。本連載では、『部下をもつ人の職場の人間関係』を上梓した対人関係療法の第一人者で精神科医の水島広子氏が、部下と上司のストレスをなくし、円滑な人間関係をつくるコミュニケーションのコツをアドバイスします。

職場の人間関係の質が向上すれば、人生の質も向上する

  最近、「うつ病」など心を病む人が増えています。その多くの理由として上位に並ぶのが、対人関係の問題です。

 会社は多くの人が集まる場所であり、そこには、上司や先輩、同僚、部下や取引先など、多くの人間関係が生じます。

 もちろん、そうした関係があるからこそ仕事が順調に進んでいくのですが、これら錯綜する人間関係は、いずれもがストレス要因にもなり得ます。

 どういうことかというと、リーダー自身に問題があってストレス源になっていることもあれば、職場で生じている対人関係の問題に上司やリーダーがうまく対応できずに、ストレスを職場に放置したままになっている場合もあります。

 実際に、同僚との問題をいくら上司に訴えても、馬耳東風で取り組んでくれない、という話もよく聞きます。

 職場での人間関係が多くの人のストレスのもとだということは、職場の対人関係のコツをつかみ、その質を高めることができれば、ストレスの少ない、やりがいのある職場環境をつくれるということになります。

 改めて、職場の人間関係というものをよく考えてみると、おもしろいものです。例えば、何かの病気になったときに駆けつけてくれ、付き添ってくれるのは、家族や恋人、親しい友人たちです。そのような人は、基本的に、最も親しい人と言えるでしょう。専門用語では「重要な他者」と呼びます。

 一方、職場の人間関係は、特別な親友になったのでもない限り、「重要な他者」とは言えない存在です。職場ではお互いに相手のことについてよく知らない、という場合も少なくありません。

 ところが、一日の生活を振り返って、職場の人と「重要な他者」と、どちらと過ごした時間が長いかを考えてみるとどうでしょう? 少なくとも平日は、「職場の人」と答える人が多いのではないでしょうか。

 「重要な他者」のことは、性格も背景もよく知っているけれども、ともに過ごす時間は案外短いもの。特に、仕事が忙しいときなどは、家には、ただシャワーと睡眠のためだけに帰る、などという場合もあるでしょう。

 一方、職場で一緒に働く人は、どういう事情を抱えた相手なのかよく知らないのに、一緒に過ごす時間が長い、という特徴があります。

・どういう事情を抱えた相手なのかわからない(どうすれば効果的に関われるかわからない)
・一緒に過ごす時間が長く、利害関係もある

 この二つの特徴が、職場の人間関係を案外、難しいものにしているのだと言えます。仮に相手のことが苦手だとしても、仕事という、生活や自分の社会的評価に関わる作業を一緒にしなければならないからです。

 ビジネスパーソンにとって、会社は人生の多くの時間を過ごす場所。ですから、そこでの人間関係の質を向上させることができれば、人生そのものの質も向上すると言うことができます。

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水島広子 [精神科医]

1968年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。
摂食障害、気分障害、トラウマ関連障害、思春期前後の問題や家族の病理、漢方医学などが専門。「対人関係療法」の日本における第一人者。
慶應義塾大学医学部精神科勤務を経て、現在、対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、国際対人関係療法学会理事、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)代表、対人関係療法研究会代表世話人。
2000~2005年衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正をはじめ、数々の法案の修正実現に尽力。
精神科専門医、精神科指導医(日本精神神経学会)、精神保健指定医、日本認知療法学会幹事、日本うつ病学会評議員、日本摂食障害学会評議員、日本ストレス学会評議員。心の健康のための講演や執筆も多くこなしている。
主な著書に『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『怒りがスーッと消える本』、『小さなことに左右されない「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』、『身近な人の『攻撃』がスーッとなくなる本』、『大人のための『困った感情』のトリセツ』(以上、大和出版)、『十代のうちに知っておきたい 折れない心の作り方』(紀伊國屋書店)、『プレッシャーに負けない方法―「できるだけ完璧主義」のすすめ』(さくら舎)など、多数。


部下をもつ人の職場の人間関係

イライラ、ムカムカ、モヤモヤ、ウツウツ……。
仕事のストレスの多くは、職場の人間関係から生じます。
つまり、人間関係のコツをつかみ、その質を高めることができれば、ストレスの少ない、イキイキとした職場環境に生まれ変わります。
「対人関係療法」の第一人者が、効果的な社内コミュニケーションのコツをアドバイス。部下と上司のストレスをなくし、人間関係の悩みがスッキリ解消する秘訣とは。

「部下をもつ人の職場の人間関係」

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