半径2メートルに
公安が立っている「異常な日常」

広瀬 亡くなった人たちに共通していたのは、バッシングされたことですね。
最近では、右翼からたたかれるケースも増えているようですが。

マコ 一昨年くらいから、直接的な圧力がきたという感じがします。
 今年6月には、知り合いや公安OBの人から、「逮捕されるから気をつけろ」と言われました。公安や警察が、
「今日、おしどりはどこにいますか」
「おしどりと、最近いつ会いましたか」
「おしどりは今日、誰と何をしゃべっていますか」
 などと、内偵が入ってくるそうです。

「2週間に14回は異様だから、近々逮捕されるよ。弁護士さんの準備をしておいたほうがいい」
 と言われました。
 2013年秋には2、3週間、常に公安調査庁にマークされていた時期がありました。

広瀬 公安は顔を見ればわかる。目つきが違うから。
 私は以前に、知人の新聞記者から「あなたは、いま尾行されている」と教えてもらったことがありました。そういうときは、店に入るんです。
 すると尾行している公安が困って立ち止まる。そこで、いきなり目の前に出て、顔をにらむと逃げていきます。マコさんの場合はどんな感じでしたか。

マコ 公園で取材していたら、1メートルくらいの場所に男の人が立っているんです。
 取材相手の人が不思議に思って、「マネージャーさんですか?」と聞かれたので、「たぶん、追っかけです」と答えたけれど、実は尾行だったのね。

 北茨城市役所に福島のママたちと一緒に取材に行ったときは、2メートルくらいの距離にずっと立っている男性がいました。
「市役所の人ですか?」
「このあたりの人ですか?」
 と聞いても、終始無言でした。帰りに福島のママの車に乗せてもらったら、いきなり車のナンバーと顔写真を撮るのです。明らかに「威嚇」です。

半径2メートルに<br />公安が立っている「異常な日常」<br />――おしどりマコちゃん×広瀬隆対談【パート3】

広瀬 マコちゃんや私たちはいいけど、一緒にいる人はイヤだよね。その威嚇で、しゃべらせないようにするんだ。
 私が浜岡で講演したときは、駐車場に止まっている車のナンバーを、中部電力が全部記録していました。
 講演会の参加者にとっては、それが町内で、ものすごい圧力になります。
 それから私の経験でいうと、福井と青森は気をつけたほうがいい。時々、殺気を感じます。
 敦賀は本当にこわくて、電車の中で取り囲まれたことがありました。講演会が終わって夜遅く一人で列車移動していたら、ジリジリと取り囲まれたから1つ前の駅で飛び降りた。とにかく福井と青森は気をつけたほうがいい。考えると、両方とも核燃料サイクルに関係しています。プルトニウムに、ね。

マコ 東京電力にも、私たちについて公安調査庁から内偵がきたそうです。私たちが何のために取材しているか、どこかの政党がついているのか、どこからかお金がついているのか、と調べていた。東電が公安調査庁に返事したのは、
「おしどりは、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属しています」
 ということだけだった、そうです。
 でも、実際それしかないのよ! 税金のムダ遣い!

半径2メートルに<br />公安が立っている「異常な日常」<br />――おしどりマコちゃん×広瀬隆対談【パート3】

広瀬 そうですね。彼らアホは、一体何を考えているんだろう。
 公安の予算は大きいから、失業対策だと、私は思ってきましたがね。ただし、いまは公安の裏で、電力会社が、つまり電事連が糸を引いていることは間違いない。

次回は、「まったく報じられない『排気筒問題』と2号機『大惨事』の危険性」について議論しましょう。

(つづく)