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東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命
【第37回】 2015年11月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
広瀬 隆 [ノンフィクション作家]

『美味しんぼ』弾圧のかげに、
何が隠れているのか?
――白石草×広瀬隆対談【前篇】

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『原子炉時限爆弾』で、福島第一原発事故を半年前に予言した、ノンフィクション作家の広瀬隆氏。
壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』が増刷を重ね、第6刷となった。
本連載シリーズ記事も累計281万ページビュー(サイトの閲覧数)を突破し、大きな話題となっている。
このたび、新著で「タイムリミットはあと1年しかない」とおそるべき予言をした著者と、OurPlanet-TVの白石草(はじめ)氏が初対談!
白石氏は、『ルポ チェルノブイリ28年目の子どもたち』(岩波書店)で、具体的な固有名詞や数値を出しながら、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のその後を詳細にレポートした。
また、OurPlanet-TVでもフクシマ原発事故に関する数々の映像を日々公開している稀有な女性だ。
そんな折、8月11日の川内原発1号機に端を発し、10月15日の川内原発2号機が再稼働。そして、愛媛県の中村時広知事も伊方原発の再稼働にGOサインを出した。
本誌でもこれまで、36回に分けて安倍晋三首相や各県知事、および各電力会社社長の固有名詞をあげて徹底追及してきた。
スベトラーナ・アレクシエービッチ著『チェルノブイリの祈り』がノーベル文学賞を受賞した今、白石氏がチェルノブイリとフクシマの現地で把握した事実と科学的データはあまりにも重い。
安倍政権によって、真実の声が次々消される中での対談1回目をお届けする。
(構成:橋本淳司)

インターネットメディア
「OurPlanet-TV」とは?

広瀬 隆
(Takashi Hirose)
1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図的で衝撃な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯――ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』などベストセラー多数。

広瀬 最初に、白石さんの獅子奮迅のご活躍に敬意を表します。
 今日はまずはじめに、白石さんが主宰しているインターネットメディア「OurPlanet-TV」の活動についてくわしくお聞きしたいのですが、もともと白石さんは何をされていたのですか?

白石 最初はテレビ朝日の報道局で技術の仕事をした後、MXテレビに入社し、いわゆるビデオジャーナリストをしていました。
 2001年9月11日に、アメリカ同時多発テロ事件が発生し、大手メディアが次々に米国のアフガン空爆を容認する姿勢を示す中で、インターネットを活用した独自のメディアを立ち上げたいと考えました。それが「OurPlanet-TV」です。

広瀬 テレビ報道のプロだったのですね。その人がドロップアウトして、フリーで活動しようと決意されたきっかけは、世界貿易センタービルが崩壊した9・11事件だったのですね。
 その後、最も印象に残っている事件は何ですか。

白石 フクシマ原発事故の前ですと、2004年のイラク人質事件です。
 高遠(たかとう)菜穂子さん、今井紀明さん、郡山総一郎さんがイラクの武装勢力に捕まったとき、家族や友人のインタビュー取材をインターネットで配信しました。
 また、映像素材をピースボートの吉岡達也さんがカタールのアルジャジーラに運んで、現地で放映してくれました。
「自衛隊についての考え方は、日本政府と日本人は同じではない。米国によるイラクへの武力攻撃に賛同せず、自衛隊の撤退を望む日本人は少なくない」というメッセージを発信したのです。
 それが、人質解放に結びついた1つの要因と言われていますので、3人が解放されたときは本当にほっとしました。

白石 草
(Hajime Shiraishi)
早稲田大学卒業後、テレビ局勤務などを経て、2001年に独立。同年10月に非営利のインターネット放送局「OurPlanet-TV」を設立。一橋大学大学院地球社会研究科客員准教授。2012年に「放送ウーマン賞」「JCJ賞」「やよりジャーナリスト賞特別賞」、2014年に「科学ジャーナリスト大賞」をそれぞれ受賞。著書に『ルポ チェルノブイリ28年目の子どもたち』『メディアをつくる――「小さな声」を伝えるために』(以上、岩波書店)、『ビデオカメラでいこう――ゼロから始めるドキュメンタリー制作』(七つ森書館)などがある。

広瀬 ちょうど私がアルジャジーラとやりとりしていた頃です。
 私の名前が向こうのサイトに出てしまい、驚いたのですが、白石さんのことは知りませんでした。

白石 もちろん原発問題も関心を持って取り上げていました。
 2011年2月21日に、中国電力が夜の闇にまぎれて船を出し、山口県にある上関(かみのせき)原発の工事を強行しようとしていました。
 その海上阻止行動の模様を現地から中継する人たちが出てきたので、私たちは彼らと協力し、日々リポートを流しました。

広瀬 私が瀬戸内海に浮かぶ祝島(いわいしま)に初めて行ったのは、もう25年以上前ですが、あそこの反原発の闘いは日本一ですよね。
 天然記念物のカンムリウミスズメ、世界最小の鯨スナメリ、ハンドウイルカが生きている自然の宝庫を守ろうと、祝島の海上阻止行動はたいしたものです。沖縄と同じです。

白石 ところが、その上関原発の工事強行がちょうど山場を迎える中で、東日本大震災が発生し、フクシマ原発事故が起こったのです。
 私たちは、事故から10日ほど経った、2011年3月23日に、広瀬隆さんと広河隆一さんの講演会の様子をインターネットで配信しました。

 そのときには広河さんが飯舘村(いいたてむら)の汚染についてデータを用いて説明し、また広瀬さんは福島に入っている専門家がどういう人物なのかを解説してくれました。内容的にはとても怖かったのですが、その中継は国内外からもの凄いアクセスがあり、大反響でした。
 当時、テレビでは「大丈夫」としか言わない専門家ばかり出ていましたし、原発はまだメルトダウンしていないことになっていました。

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広瀬 隆 [ノンフィクション作家]

1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図で衝撃的な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯―ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『二酸化炭素温暖化説の崩壊』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』『原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論』など著書多数。


東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命

公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図で衝撃的な事実を提供し続けるノンフィクション作家の広瀬隆。『東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命』は壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた大作。51の【系図・図表と写真のリスト】と公刊された科学的データで誰も知らなかった真実を掲載。本連載では、本書周辺の原発再稼働をめぐる問題や、今そこにある危機を紹介する。

「東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命」

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