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東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命
【第42回】 2015年12月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
広瀬 隆 [ノンフィクション作家]

半径2メートルに
公安が立っている「異常な日常」
――おしどりマコちゃん×広瀬隆対談【パート3】

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『原子炉時限爆弾』で、福島第一原発事故を半年前に予言した、ノンフィクション作家の広瀬隆氏。
壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』が増刷を重ね、第6刷となった。
本連載シリーズ記事も、累計300万ページビュー(サイトの閲覧数)を突破し、大きな話題となっている。
このたび、新著で「タイムリミットはあと1年しかない」とおそるべき予言をした著者と、吉本興業所属の芸人・おしどりマコちゃんが初対談!
おしどりマコちゃんは、フクシマ原発事故以降、マスコミ記者顔負けの「ロジカルな質問力」で東電幹部も答えに窮する場面も多数あったという。
芸人ながら、タブーといわれる原発事故の真実に、詳細なデータベースで迫る稀有な女性だ。聞けば、以前、鳥取大学医学部生命科学科に所属していたという。
そんな折、8月11日の川内原発1号機に端を発し、10月15日の川内原発2号機が再稼働。そして、愛媛県の中村時広知事も伊方原発の再稼働にGOサインを出した。
本誌でもこれまで、41回に分けて安倍晋三首相や各県知事、および各電力会社社長の固有名詞をあげて徹底追及してきた。
スベトラーナ・アレクシエービッチ著『チェルノブイリの祈り』がノーベル文学賞を受賞した今、精神論やきれいごとでなく、真の科学的データで迫る姿勢が日本でも問われている。
なにごともなかったかのように、次々再稼働される日本の原発。
本当にこれでいいのか?
安倍政権によって、真実の声が消される中での対談3回目をお届けする。
(構成:橋本淳司)

報道関係者は
なぜ、自死したのか?

広瀬 隆
(Takashi Hirose)
1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図的で衝撃な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯――ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』などベストセラー多数。

広瀬 今年の11月1日に、おしどりマコちゃん・ケンちゃんの司会で「STOP伊方原発再稼働! 11・1全国集会in松山―福島をくり返さない―」があり、私も行ってきました。

 愛媛県知事の中村時広が伊方3号機の再稼働に同意した直後の集会で、全国から4000名が参加し、「再稼働を許さない」と訴える人たちの熱のこもった集会でしたね。
 そのときのステージで、マコさんが「原発事故が起こってから、知り合いの人が6人亡くなった」と言っていたことが気になりました。
 くわしい話を聞かせてください。

マコ 病死が2人、自死が4人です。報道関係が4人で、研究者が2人です(今は、病死が3人、自死が4人です。報道関係4人で研究者が3人。『見捨てられた初期被曝』を岩波書店から出版されたstudy2007さんも、2015年11月13日にお亡くなりになりました)。

広瀬 報道関係というのは『報道ステーション』のディレクターの方ですか?

マコ そう、お一人は去年亡くなった『報道ステーション』のディレクターです。
 あの方には、亡くなる前日にも会っていました。プライベートでも仲がよかったので、なぜ自死したんだろうと疑問に思っていました。いろいろ調べて、最終的にはご遺族にもお会いできました。遺書や保険の話も教えてもらって、相当長く自死の計画を立てていたことがわかりました。

おしどりマコちゃん
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。社団法人漫才協会会員。認定NPO法人沖縄・球美の里理事。フォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」の編集委員。 兵庫県神戸市生まれ。鳥取大学医学部生命科学科を中退し、東西屋ちんとん通信社に入門。アコーディオン流しを経て芸人に。 東京電力福島第一原子力発電所事故(東日本大震災)後、随時行われている東京電力の記者会見、様々な省庁、地方自治体の会見、議会・検討会・学会・シンポジウムを取材。また現地にも頻繁に足を運んで取材し、その模様を様々な媒体で公開中。 【Twitter】https://twitter.com/makomelo

広瀬 自死の計画というのは?

マコ 彼とのメールのやり取りを振り返ってみると、2012年頃は、
「被曝の取材は何十年も続けなくてはならない。被災地の人との信頼関係が重要だから、お互いに連携してやっていこう」
 という感じでいました。

 それが2013年末になると、「次の3月11日の『報道ステーション』がラストチャンスだから全力でやる」という言い方に変わったのです。

 私は「別にラストじゃないでしょ。5年後も10年後もずっとやりましょう」とメールしたのですが、その頃から決めていた、ということが、いろいろ調べて後でわかりました。
 彼の場合、局からの圧力があったことは事実だし、そのほか冤罪事件も追いかけていて、自死する原因は1つではなく、いろいろなことが重なっていたと思いますが……。

広瀬 原発に関して調べていると、いろいろな圧力がかかってきます。それが負担だったのでしょうね。

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広瀬 隆 [ノンフィクション作家]

1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図で衝撃的な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯―ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『二酸化炭素温暖化説の崩壊』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』『原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論』など著書多数。


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公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図で衝撃的な事実を提供し続けるノンフィクション作家の広瀬隆。『東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命』は壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた大作。51の【系図・図表と写真のリスト】と公刊された科学的データで誰も知らなかった真実を掲載。本連載では、本書周辺の原発再稼働をめぐる問題や、今そこにある危機を紹介する。

「東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命」

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