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女子高生社長、経営を学ぶ。
【第8回】 2015年12月7日
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椎木里佳 [株式会社AMF代表取締役],椎木隆太 [株式会社ディー・エル・イー代表取締役]

「ビジネスモデル考え中」という最強のビジネスモデル

 「サンデージャポン」「人生の深イイ話!」にも出演で話題の女子高生社長・椎木里佳さん。パパは「鷹の爪」で有名なコンテンツ会社「ディー・エル・イー」の椎木隆太社長です。

 里佳さんが、上場企業の社長であるパパに経営について学ぶこの企画。今回は「ビジネスモデル」について語ります。

(取材・構成:佐藤智、竹村俊介、撮影:宇佐見利明)

 

ビジネスモデルは「考え中」でOK

パパ 里佳、「定款」って何のことかわかってる?

里佳 やりたいことリストみたいなものでしょ?

パパ ま、まあそうだね。事業内容とかね。

里佳 私の場合、やりたいことリストをまず作ったんだよね。「映画会社をやる」「芸能事務所をやる」みたいな感じで。

 そうやって超つたない言葉で書いたのを、行政書士さんがカッコいい言葉で書き直してくれたの。「映像コンテンツの制作およびそれに付随するすべての業務」みたいな感じに書き直してくれた。

パパ ずいぶん助けてもらったね。

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里佳 そうそう。行政書士さんがうまく書いてくれて。だから正直、起業するまでは、まったく大変な部分がなかったんだよね。

パパ会社をつくるだけなら誰でもできる、ってことだね。

里佳 うん。法務局でちょっとバカにされたくらい。

パパ バカにはしてないと思うけどね(笑)。お子ちゃまが申請に来てビックリしただけでしょ(笑)。

 そういえばその当時、僕が最初に里佳のビジネスモデルを聞いたとき、正直「まあ大したアイデアじゃないな」と思ったわけだよ、やっぱりビジネスの先輩からすると。

里佳 はあっ?(怒)

パパ まあまあ、聞いて。でも、僕はそれでいいと思ってる。というのも、今の時点ですごいビジネスモデルなんて、思い付くわけがないんだよ。

里佳 すごいのが思いつかなかったから、会社のサイトには「ビジネスモデル考え中」って書いといたんだよね。またこれも叩かれたけど。「起業してるのにビジネスモデル考え中って、社長失格!」とか「ワロタwww」とか。ものすごい炎上して。

パパ 批判もあったけどね。でもビジネスモデルなんて、むしろずっと「考え中」とか「変遷中」でいいと思う。

里佳 無理に決めちゃわないほうがいい?

パパ 人によって色々な考え方、やり方があることが前提で言うけど、自由自在に時と状況によって形を変えられるくらい柔軟なビジネスモデルがいいと思う。DLEのビジネスモデルだって「今でも考え中」って書き直したいくらいだよ、里佳のを参考にして(笑)。

里佳 えー、パパはヤバくない?(笑)

パパ いや、それくらい柔軟なほうがいいってこと。そういう意味で、特に今みたいなどんどん時代が変化するときには、常に組織もビジネスモデルも「変遷」しなきゃいけない。だけど、世の多くの人は「ビジネスモデル」が決まったら、なるべく軸がぶれてはいけない! 本物の起業家は初志貫徹でやり遂げるもの! って思ってたりする。

里佳 成功するには、最初に人が思い付かないようなビジネスモデルがなきゃいけないってのは思い込み?

パパ 思いこみだね。最初のビジネスモデルは人並みの思い付き程度でいい、と僕は思ってる。天才ならともかく、自分が思いつく程度のものは他人も思い付くと考えた方が良い。

里佳 ふ〜ん。

パパ 大事なのは、思い付き程度のビジネスモデルであっても、それに惚れ込んだ上で、感謝・謙虚・全力で取り組むこと。

里佳 出た! 感謝・謙虚・全力!!

パパ うん、すごく大事。それにより新たな人との出会いや偶然の気付きとかを生んで、それによる化学反応をしながらどんどん組織やビジネスモデルを修正していくと、自分や他人が思い付かないような時代に即したビジネスモデルになっている可能性が出てくるんだと思うよ。

里佳 ふむ。

パパ だからこうしなきゃ、と最初のアイデアに縛られるんじゃなくて、自由に柔軟に考えたほうが絶対いい。

里佳 こだわりが邪魔になるときもあるってこと?

パパ そう。あとは、いいアイデアに出会ったら、それとガッチャンコして、こういうふうに変えようとか、本当にフレキシブルにやったほうがいい。

 

運は人が連れてくる

里佳 どんどん変わっていったほうがいいんだね。

パパ 僕だって最初は、映像コンテンツのコンサルをやって、日本とハリウッドの懸け橋をつくろうと思ってた。日本のすべてのエンターテインメントは僕が作った橋を通じて世界につながるのだ! というのが、当初のビジネスコンセプトだったのね。それで、いろんな会社にコンサルしてたんだけど。

里佳 コンサルって、相談ってことだよね?

パパ 相談に乗って、ビジネスのディレクションをやる、みたいな感じかな。でも、コンサルってめっちゃ忙しいのね。5社ぐらい面倒見たら、24時間寝られないけど大して儲からない状況になった。そこではじめて「なんじゃ、このビジネスモデルは!」って。

里佳 あちゃー。

パパ あちゃーって、「俺、バカだったのかな」なんて思いながら。

 そのときは、上場の牽引役になった、フラッシュアニメのスタジオを社内に抱えてIPを機関銃のように生み出すみたいなモデルは、1ミリも考えたことなかったからね。それに起業したころは、まだフラッシュアニメも出始めくらいのときだったし。それを今、生業にしているわけだからね。

里佳 ビジネスってどうなるかわかんないもんだねえ。

パパ それってやっぱり、本当にベストを尽くして、全力でやったから。全力でやることで、いろんな縁がつながって、いろんな運が回ってきて、フラッシュアニメに出会えた。

里佳 いろんな人に会うことが大切なの?

パパ運は人が連れてきてくれるからね。「すごいクリエイターと出会えるかもしれない」って場所に出向いたり、実際に会いにいって。「こういうことを一緒にやったら面白くないですか?」って口説いて、相手に惚れてもらう。で、「一緒にやりましょう」ってなって……。

里佳出会いが運命を変えるんだ!

パパ ほんとそうで、いろんな化学反応とか、突然の出会いとかによって、ビジネスモデルもどんどん変わっていく。今の時代に合っているもの、時代が求めているものへと変わっていく。

里佳 時代が求めるものってどうやって見つけるの?

パパ それは、ひとりでうんうん考えても見つからないよね。「こういう人と出会った」「こういう情報が入ってきた」って感じで時代の流れがつかめることって、すごく多い。

 だから、里佳が「ビジネスモデル考え中」って言えるのは、本当に素晴らしいと思うよ。

里佳 そう?

パパ むしろ言える勇気っていうのかな。だって、後ろ指さされるじゃない? 「起業しておいて考え中って、そりゃねえだろ!」みたいな。そこを言えちゃうのはすごいし、一生考え中でもいいんじゃないかとさえ思うよ。

里佳 「考え中」っていうビジネスモデルだから!

パパ 「里佳が昔見ていた景色」と「今だから見える景色」ってぜんぜん違うと思うし。「今だからつながれる人」もいるでしょ。起業したときと、どんどんパワーアップしてるわけだから。

 里佳が「これやりたい!」って言ったときに集まってくれる人、いるでしょ? 「じゃあ、うちのこの技術と一緒に、なにかできないですかね?」って言ってくれる人とか。そういう出会いとか新しい技術をどんどん取り入れていく。そのときには、自由な発想でいることが大切で、チームの組み方も過去に縛られないというのが大切だと思うんだ。これからが楽しみだね!

里佳 1年後2年後、どうなるかもわからないような時代だからね。

パパ そういう激変の時代においては「ビジネスモデル考え中」っていうのが、もしかしたら最強のビジネスモデルかもしれない。

里佳 「考え続ける」のがビジネスモデル。

パパ 流行り廃りも早いから、つねに考えて、つねに変わっていかないといけないよね。

里佳 正直そこまで深くは考えてなかったけどね(笑)。「考え中」って書いたときは。本当に思いつかなかったから(笑)。

パパ 「ビジネスモデルがないなら起業しちゃいけない」なんてルールないいんだから。むしろ、固定しちゃうほうが危ない場合もあるしね。

(続く)

 この対談を特別編集し、「起業と経営の基本ノウハウ」を詰め込んだ椎木里佳さん・隆太パパ初の著書『女子高生社長、経営を学ぶ。』がダイヤモンド社より来春発売予定! 乞うご期待!

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椎木里佳 [株式会社AMF代表取締役]

1997年生まれ。現役の高校3年生で、実業家。「女子高生社長」として知られ、都内の高校に通いながら、六本木ヒルズに事務所を置く株式会社「AMF」を経営。小学校のときにホリエモンの活躍を見て、社長業に興味を持つ。中学3年生のときに起業。現在は、学業のかたわら、スマートフォン向けアプリの開発や各種イベント企画プロデュースなどの事業活動を展開している。父は「鷹の爪」で有名なDLEの社長、椎木隆太氏。

椎木隆太 [株式会社ディー・エル・イー代表取締役]

慶応義塾大学経済学部卒業。「秘密結社 鷹の爪」などをはじめとする、さまざまなキャラクターを保有。1991年4月ソニー株式会社入社。1992年よりソニーインターナショナルシンガポール駐在。1995年ソニーベトナム・ハノイ支社長就任。2001年ソニー株式会社退職後、有限会社パサニア(現株式会社ディー・エル・イー)を設立し、代表取締役就任。現在に至る。


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