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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

“反日国”元駐在大使対談
変わる中国・韓国とどう付き合うべきか

元駐中国大使・宮本雄二×元駐韓国大使・武藤正敏

2015年12月28日
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歴史認識、領土問題をめぐる意見対立で、日本と中国、日本と韓国の関係が冷え込んで久しい。日本は今後、この2カ国とどのように付き合うべきか。元大使の2人にあるべき外交戦略を語ってもらった。

むとう・まさとし/元駐韓国大使 1972年、横浜国立大学経済学部卒業、外務省入省。2010年より駐韓国大使。12年に退官。近著に『日韓対立の真相』(悟空出版)。 Photo by Kazutoshi Sumitomo

武藤 われわれは「反日国」の元大使ということで呼ばれたんでしょうけど、実際に反日の中国人、韓国人は一部ですよね。日本人は、まずそれを理解することが必要ですね。

宮本 そうですね。国内では感情論が大きくなっていますが、そもそも外交というのは感情で動いてはいけないもの。

 皆さんの営業と同じですよ。プロの営業マンは感情に左右されず、自社の利益を考えて行動しますよね。嫌だから付き合わないという選択肢はない。何が日本にとっての利益かを冷徹に計算しないといけません。

武藤 ただ、なかなか相手が冷静になってくれないというのが難しいところですけどね(笑)。

みやもと・ゆうじ/1969年、京都大学法学部卒業、外務省入省。2006年より駐中国大使。10年に退官。近著に『習近平の中国』(新潮新書)。 Photo by K.S.

──中国は超大国になりましたが対日姿勢に変化はありませんか。

宮本 いや実はね、変わり始めたんですよ、歴史観が。

 歴史観というのは、中国共産党が中国を統治するために必要なものなんです。だから統治の状況によって変わります。

 第2次世界大戦後、毛沢東の時代の中国は、日本にも国民党(現在の台湾の与党)にも勝ったため、勝者の歴史観を持っていました。共産党の求心力も盤石でした。

 でも、独裁的な統治に次第に不信感が募り、天安門事件が起こった。そこで、共産党が統治する理由が再び必要になったのです。

 ここで被害者の歴史観に変わりました。戦争の被害者である中国を救ったのが共産党だという論理をつくったのです。そして、その悪役が日本でした。

中国で薄れる悪役・日本 
韓国はガス抜きに必要

武藤 なるほど、非常に面白いです。でも今、中国は世界の大国になった。

宮本 そうです。経済も発展し、オリンピックでも一番多く金メダルを取れるようになった。「今の強い中国を造ったのは共産党だ」──。そんなメッセージを伝えるべく、習近平国家主席は、再び勝者の歴史観に変えているんです。だから、中国は日本を悪役にする必要が薄れてきているんですよ。

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