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成功する人の考え方
【第7回】 2016年1月13日
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加地太祐 [経営者、陽明学者]

苗は引っぱらず、栄養を与えよ

新年を迎えて「今年こそは人生を変えたい」「夢を実現したい」と思う人は多い。しかし、一体どれだけの人がその実現に向け努力しているだろうか。現役の経営者で陽明学者の加地太祐氏は、「成功するためには、何より実践が大事」と説く。本連載では、そんな加地氏の初の著書成功する人の考え方』(ダイヤモンド社より1月16日に発売予定)の内容をベースに、これまでの人生を変えて、成功をたぐり寄せるためのポイントをお伝えしていく。人生は誰かとの競争ではない。肝心なのは自分というダイヤモンドの原石を磨き続けることだ。

昨日の自分と競争する

 人生は誰かと競争をしているわけではない。

 年齢や性別も違えば、体格だって全然違う。

 そんな他人と競い合った先に、何が待っているのだろうか?

 くすんだダイヤモンドと別の石を比べたところで、元のダイヤモンドは一向に輝くことはない。

 大切なのは、ダイヤモンドを磨くことだ。

昨日よりも今日。今日よりも明日。自分というダイヤモンドを磨き続ける。

 その繰り返しが、成功する人への道へ繋がっている。

 昨日の自分に負けているようでは、成功する人などに到底なれないのだ。

 毎日成長し、新しい自分として生きていくことを昔の人達は「日新(にっしん)」と呼んでいた。

苗を無理に引っ張らない

成功する人は、常にこの「日新」を意識している。

 あるとき、僕のオフィスにひとりの女性が相談にきた。彼女には高校生の息子がいるという。

 彼女の息子は小学校、中学校とエリート進学校と進み、関東で最高峰の高校に入学した。

 しかし、ある日、彼の高校から連絡があった。

 「息子さんが学校の途中で万引きをして、警察に事情聴衆を受けているようです」

 彼女は動揺した。

 いつも真面目で親のいう事をよく聞く子なのに万引きなんかするはずがない。急いで警察に向かった彼女は、息子の表情を見て目を疑った。

 制服の胸元は大きく開き、警察に対しても反抗的な態度で受け答えをする姿は、彼女の知る真面目な息子ではなかった。

 「なんで万引きなんかしたの? お金はちゃんと渡してるでしょ」

 「うるせぇ」

 その後、彼は学校を退学し、引きこもりとなった。

 両親の期待を一身に受け、もっと上へもっと上へと言われ続けて生きてきた彼は、どこかで何かが狂ってしまったのだ。

 植物は、どんなに劣悪な環境であっても、自分のチカラで光合成をしようと太陽を探す。

 水がなければ土の中をまさぐるように根を伸ばし、わずかな水分でも手に入れようと努力する。そうやって自然界は成り立っていて、植物も生きているのだ。

 しかし、どんなに粘り強い植物でも、早く伸びろと人間の手で茎を引き上げられれば、いつか根は土から外れ、枯れてしまう。

 彼は両親から大いに期待され、「伸びろ、伸びろ」と常に茎から上に持ち上げられてきた。

 その結果、根が外れてしまったのだろう。

成長の糧となる考え方を与える

 仕事も同様だ。

 部下にどれほど期待があろうとも、上司が茎を引っぱるような成長を求めてはいけない。

部下には、自然に成長する能力が備わっているからだ。

人間は誰かに言われて成長するのではなく、自分の意志によって成長する存在だ。

 親や上司は、過度に茎を引き上げるようなことはせず、ただ、添え木と栄養を与えればよい。

添え木とは、人生の道しるべだ。

 何が善で何が悪なのか。良心を判断基準にして働き、生きていける道筋を示すだけでいい。

栄養とは愛情だ。

 海よりも深い愛で相手の成長を思い、常にとなりで見守ってあげる。

 そんな状態のときにこそ、人間は著しく成長する。

成功する人は常に日新しながら、愛と道しるべを糧として輝くのだ。

加地太祐(かじ・たいすけ)
1976年大阪生まれ。株式会社aim代表取締役。
阪南大学高等学校中退後、溶接工に。その後、サラリーマンになり英会話スクールに通うが、1年後の2004年に通っていた英会話スクールが倒産。当時の従 業員に「給料を数ヵ月もらわぬままオーナーが失踪したので助けてください!」と生徒なのに相談される。月商18万円で家賃支払いが23万円と大赤字なのに もかかわらず、「可哀想だから」と400万円を借金して援助し、サラリーマンを続けながら思いがけずオーナー経営者になる。
しかし、3ヵ月で資金がなくなり、助けてと言った従業員も退職。その後、英会話スクールの経営を実弟にまかせるが、1年後に病死する。この人生のどん底の ときに安定したサラリーマンを辞め、給料の出ない英会話スクール経営1本に絞る。その後、NOVAが倒産し英会話教師だった外国人失業者があふれた。彼ら を黙って見過ごせないと、生徒が増えたわけでもないのに日払いで外国人を雇う。この行動が新聞に紹介され、それがもとで生徒数が飛躍的に増え、以後、順調 に業績を伸ばす。
2015年2月6日、交通事故に合い5日間意識不明に。6日目に目覚めたとき、「このまま死んだら僕はこの世界に何も残していないことになる」と愕然とする。
それがきっかけで、スタッフや愛する娘たちに残せるのは「言葉しかないのだ」と悟り「成功する人の考え方」の連載をスタート。純粋に言葉の力を試すために 名前をふせたままスタートするも幸運にも支持を得て開始8ヵ月で3万いいね!を突破。月間リーチ数250万人の人気ウェブサイトに成長する。年間1000 人以上の経営者と対話し、会社経営を行う傍ら、1人でも多くの成功者を世に出したいと、日夜、記事の執筆に精力を注いでいる。山田方谷を学ぶ実践塾「方谷 塾」塾頭、陽明学者。
所属団体 
・盛和塾<大阪> 世話人。稲盛和夫の経営者塾世話人
・EO Osaka<Entrepreneur Organization> 理事。アメリカに母体を持つ経営者団体。年商100万ドル以上の経営者が集まる団体
成功する人の考え方HP http://ekusia.com/
フェイスブックページ  https://www.facebook.com/seikousuru/
 
 

※次回は、1月14日(木)に掲載します。

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かじ・たいすけ/1976年大阪生まれ。株式会社aim代表取締役。
阪南大学高等学校中退後、溶接工に。その後、サラリーマンになり英会話スクールに通うが、1年後の2004年に通っていた英会話スクールが倒産。当時の従業員に「給料を数ヶ月もらわぬままオーナーが失踪したので助けてください!」と生徒なのに相談される。 月商18万円で家賃支払いが23万円と大赤字なのにも関わらず、「可哀想だから」と400万円を借金して援助し、サラリーマンを続けながら思いがけずオーナー経営者になる。
しかし、3ヶ月で資金がなくなり、助けてと言った従業員も退職。その後、英会話スクールの経営を実弟にまかせるが、1年後に病死する。 この人生のどん底のときに安定したサラリーマンを辞め、給料の出ない英会話スクール経営1本に絞る。 その後、NOVAが倒産し英会話教師だった外国人失業者があふれた。 彼らを黙って見過ごせないと、生徒が増えたわけでもないのに日払いで外国人を雇う。 この行動が新聞に紹介され、それがもとで生徒数が飛躍的に増え、以後、順調に業績を伸ばす。
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 ・EO Osaka<Entrepreneur Organization> 理事 アメリカに母体を持つ経営者団体。年商100万ドル以上の経営者が集まる団体

 


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いつの時代も変わらない、成功をめざす人が身につけたい思考と行動の原理原則とは何かを、経営者であり、陽明学者でもある著者がやさしく語りかける。フェイスズックで月間リーチ数250万を超える人気コラムの作者がダイヤモンド・オンラインの読者に特別に贈る人生を変えるヒント。

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