ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
エコカー大戦争!

トヨタの「人工知能ドリームチーム」を阻む4つのハードル

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第216回】 2016年1月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
プラットCEO以下、TRIの首脳陣が壇上に並んだ Photo by Kenji Momota

トヨタがシリコンバレーで
人工知能研究の“ドリームチーム”を結成

 2016年1月5日、米ネバダ州ラスベガス。世界最大級のIT・家電見本市CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)の開催を直前に控え、マンダレーベイホテルで報道陣向けの記者会見が続いた。

 フォード、LG、サムスン、パナソニックなどのビッグネームのなかで、メディアの注目が大きかったのがトヨタだ。

 なぜなら、シリコンバレーで開設されるTRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)の詳細が明らかになったからだ。

 TRIについては、2015年11月9日の東京での記者会見で豊田章男社長が、「AI(人工知能)の研究に、5年間で10億ドル(約1200億円)を投じる」と発表。世界各国から“自動車産業界の転換の前兆だ”と大きな話題となっていた。

会見後、ギル・プラットCEOの囲み取材では日本メディが多い。また、プラット氏が、かなり長身であることがわかる Photo by Kenji Momota

 今回の会見では、オートモーティブ・オペレーションの筆頭副社長、ボブ・カーター氏がプレゼンを幕開けし、詳細の説明をTRI初代CEOのギル・プラット博士に任せた。筆者は、プラット博士が前職のDARPA(国防総省・高等研究計画局)のロボティクス・チャレンジのプログラムマネージャーの時にインタビューをおこなっている。

 トヨタ関係者によると、トヨタがプラット博士に最初にコンタクトしたのは2015年3月。つまり、このインタビュー時点で、TRIへの転職がほぼ確定していたはずだ。

 さて、今回の会見で公開されたTRIの詳細は、次の通りだ。

 施設は2ヵ所で、一つはカリフォルニア州パロアルト市内、スタンフォード大学まで“自転車で10分程度の距離”の場所にある「スタンフォード・リサーチパーク」内。もう一ヵ所はマサチューセッツ州ケンブリッジ市で、MIT(マサチューセッツ工科大学)まで“自転車で10分程度の距離”の「ケンドル・スクエア」だ。

 また、TRIの使命として、(1)交通事故の抑制、(2)高齢や身体の不自由によって運転できない人々に対する移動手段の提供、(3)ロボットなどの屋内モビリティにトヨタの技術を活用、(4)材料科学の研究、以上4点を挙げた。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
好評発売中!
「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」

ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車の共存でビジネスモデルは混沌!トヨタ、ホンダ、日産、三菱など日本メーカーは世界で勝てるのか?年間飛行機移動時間が最も長い日本人自動車ジャーナリストが世界のエコカー事情を徹底取材。市場・インフラ、技術、政策、各社の戦略を詳細かつヴィヴィッドにレポート!

話題の記事

桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


エコカー大戦争!

「エコカー=日本の独壇場」と思っているとすれば、それは大間違いだ。電気自動車、ハイブリッド車を巡る市場争奪戦はこれからが本番。日本は序盤戦を制したに過ぎない。世界規模の取材でエコカー大戦争の行方を探る。

「エコカー大戦争!」

⇒バックナンバー一覧