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金融市場異論百出

日本とは好対照の財政再建
国民に痛みを求める英国

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2010年6月23日
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 菅直人首相は所信表明演説で「強い経済・強い財政・強い社会保障の一体的実現」を目指すと述べた。日本国債の“ギリシャ化”を避けるため、財政再建への方向性をにおわしたことは正しいと思われる。

 しかし、それと「強い経済」「強い社会保障」を同時に実現することは実際は困難だろう。

 英国では、キャメロン政権が6月22日に予算案を発表する。すでに示唆されている基本方針は、社会保障・行政サービスを大胆にカットして、国民に痛みを求め、かつ、しばらくは低成長を甘受するという、幻想を抱かせない厳しいものである。日本の政策議論にとっても示唆に富んでいる。

 オズボーン財務大臣は、2015年までに構造的な財政赤字を解消するとすでに宣言している。英政府支出は、前年比で11年19.3%減、12年は8.5%減が想定されている。

 前労働党政権とは大きく異なり、多方面で歳出削減が検討されている。

 たとえば、条件付きで19歳まで支給している子ども手当を課税対象にし、かつ支給を13歳で打ち切ることが検討されている。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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