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女子高生社長、経営を学ぶ。
【第22回】 2016年2月5日
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椎木里佳 [株式会社AMF代表取締役],椎木隆太 [株式会社ディー・エル・イー代表取締役]

2020年に結婚と出産と上場します!

「かわいすぎる女子高生社長」として注目されている椎木里佳さん。パパは「鷹の爪」で有名なコンテンツ会社「ディー・エル・イー」の椎木隆太社長です。

 早くも増刷が決まり好評の『女子高生社長、経営を学ぶ』(ダイヤモンド社)は、上場企業の社長であるパパの「起業から上場まで」のストーリーを追いつつ、ビジネスの肝がわかりやすく学べる1冊。本連載はその中から一部をご紹介します。

(取材・構成:佐藤智、竹村俊介、撮影:小川孝行)

株式公開すれば「だまされてくれた人」に恩返しができる

里佳 株式公開まで視野に入れると、大切な人たちに恩返しもできるって前に言ってたよね。

パパ そう。株式公開を迷っている人がいたら、絶対するべきだと思う。

里佳 絶対とまで言う?

パパ うん、迷っている人に対してならね。

里佳 なんで?

パパ 僕が一番よかったなと思ったのは、自分がお金持ちになるとか云々よりも、起業当初に実績もなかったクソみたいな僕に、「自分の大切な若い数年をこの人にかけよう」と思って、信じてくれた人に対して「この人に付いてきてよかった」と感じるようなお返しができるってこと。

「若くて、やる気があって、元気な時間を、この人にかけてよかった」って思ってもらうことが、自分がお金持ちになるより、よっぽどうれしいし、モチベーションも上がる。

里佳 そうやって、パパが恩返しできた人って実際にいるの?

パパ うん、いる。そういう人たちに、非常に大きな金額を返せたというのは、本当によかった。本当に一緒に働いてくれた戦友たちにね。信じてくれて、それこそ命を削って仕事してくれたっていう人に対して、感謝の気持ちだけでなく、お金というかたちでも何かお礼ができたらやっぱりうれしいよね。

里佳 そういえば、フロッグマンも「上場で得たお金を使って、大家族で苦労してきた親の借金を返済してあげられた」って言ってたね。

パパ 彼は7人兄弟の末っ子で、すごくかわいがってもらってたらしいし、親も老いてきた中で「借金をすべて返して安心させてあげたい」という思いがあったんだろうね。あと「いつかはクラウンって言ってた父親に、赤いクラウンを買ってあげたんだよ」とか聞くとさ、やっぱりうれしいじゃん。

 残念なことに、クラウンを買ってあげてしばらくして、お父さん亡くなっちゃったんだけど、「これ、息子に買ってもらったんだ」って近所中に自慢して、ずっと乗り回していたらしい。死ぬ一日前まで乗ってたって。そういう話を聞いて、株式公開ができて本当によかったと思ったんだよね。

里佳 社員だけじゃなくて、社員のまわりも幸せにできるんだ。

パパ そうかもね。「頭金だけど、マンションを買うことができました」とか。「お金が入ったから、子どもをもう一人作ろうと妻と話しています」とか、いろんな人がいる。

 人生のきっかけになるだけのお返しができて、みんなに感謝されて。でも、僕の中ではむしろ、僕のほうが感謝したいという思いがある。こうやって、お互いが感謝するようになれるのって、すごく幸せだなと思った。そういう思いをいろんな経営者にしてもらいたいな。

里佳 株式公開オススメの意味、わかってきた。

パパ 上場っていうのは、誰にでもわかりやすい成功だから、社員の親や親戚もすごく喜んでくれる。「今まで何やってるのか良くわからなかったけど、素晴らしい会社に勤めてて、ずっと貢献してたんだな」って感じで言われるみたい。そういうのを通じて、社員が会社に対して、より大きな愛と誇りを持つようになる。

里佳 確かにDLEに行くと、前と社員の雰囲気が変わった感じがする。

パパ どういうふうに?

里佳 自信に溢れているオーラがでてるかな。より社内が賑やかになったかも。

パパ ほ〜、うれしいこと言うね〜。

 もう本当に社員にはひたすら感謝だよ。どうなるかわからない小さな会社の経営者に「付いていこう」って決断してくれた人に対して、社長は本当にものすごく感謝すべきだと思うよ。

里佳 社員にそういう大きなお金を渡せるのって、株式公開が一番早道なの?

パパ 他の企業に会社を身売りする形になる株式売却はもっと早い。で、その売って得たお金を、社員に還元したりもできる。方法は問わないけど、信じてくれた人たちに対してお返しするというのは、経営者として真剣に向き合わなきゃいけないことだなと思ってるよ。

「2020年に結婚と出産と上場します!」

里佳 私も上場させるつもりだけど、パパはどうやって上場のタイミングをはかったの?

パパ 上場はできるときにするのがいい。風の流れを読みながらね。会社側のタイミングもあるけど、「今、市況がいい! 上場するならこのタイミングしかない!」っていう見極めも大事だね。

里佳 大切なのは「何年後に上場させる」みたいなプランじゃないんだ?

パパ もちろん、会社の計画は重要。でもベストなタイミングは、世の中の風を読むしかない。「この流れはあと一年は続くだろうけど、一年後には、ちょっと厳しいぞ」と思ったら、やっぱり一年以内に上場するほうが会社がはるかに消耗しない。

里佳 私は2020年に上場して、結婚します!

パパ 結婚も!?

里佳 はい。結婚も上場も、できれば出産も同時にする!

パパ 同時に(笑)。いいね!

里佳 人生の最高を、すべて2020年に迎えたいと思ってね!

パパ お〜、確かに2020年には流れがピークになりそうだから、それはいいアイデアだね、結婚出産はともかく(笑)。やっぱり自分では作れない流れってあるから。時流に乗るというのは、本当に重要だよ。

 ITが来ているとか、ゲームが来ているときに、その追い風がめっちゃ吹いているタイミングと土俵で戦うっていうのは大事よ。特に少人数で戦うときに、追い風のないところで勝負したら致命傷になるからね。

里佳 ビジネスにおいて時流に乗るのが超マストなのはわかった。パパはその時流とか市況の見極めって一人でするの? 誰かに相談する?

パパ 基本、一人で考えるのが好き。毎週木曜日の午前中はそういった分析や新規事業を考える時間にしてる。でもときどき、社外のぜんぜん利害関係のないVC(ベンチャーキャピタル)の方とかとも話すかな。そういう人の方がフラットな意見を聞けるから。

里佳 社内では相談しない?

パパ しないねー。すごく違う業界とか、あるいはいろんな業界を見ている人とかだね。「今投資するなら、この業界です」っていうところを教えてもらったりね。他にも、最近流行ってる組織のあり方とかも聞く。他業種・他業界の人や海外の人たちと話すことを心がけてるかな。

里佳 ときどき違う目線でモノを見られる人と情報交換するのが大事なのね。
私もいろんなジャンルの起業家の先輩たちと話すときは、めちゃくちゃ刺激受けるし、大好きな時間なの。

 上手に時流に乗って、10年後の2025年にはパパの会社より大きくなりたいな。私の子どももその頃は幼稚園入学の頃だし。パパ、送り迎えよろしくね。

パパ パパをこき使い過ぎでしょ!

 

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椎木里佳 [株式会社AMF代表取締役]

1997年生まれ。現役の高校3年生で、実業家。「女子高生社長」として知られ、都内の高校に通いながら、六本木ヒルズに事務所を置く株式会社「AMF」を経営。小学校のときにホリエモンの活躍を見て、社長業に興味を持つ。中学3年生のときに起業。現在は、学業のかたわら、スマートフォン向けアプリの開発や各種イベント企画プロデュースなどの事業活動を展開している。父は「鷹の爪」で有名なDLEの社長、椎木隆太氏。

椎木隆太 [株式会社ディー・エル・イー代表取締役]

慶応義塾大学経済学部卒業。「秘密結社 鷹の爪」などをはじめとする、さまざまなキャラクターを保有。1991年4月ソニー株式会社入社。1992年よりソニーインターナショナルシンガポール駐在。1995年ソニーベトナム・ハノイ支社長就任。2001年ソニー株式会社退職後、有限会社パサニア(現株式会社ディー・エル・イー)を設立し、代表取締役就任。現在に至る。


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