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金融市場異論百出

世界の小売り業界が熱視線
“魅惑の地”となったイスラム圏

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2010年6月30日
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 小売り業界にとって個人消費の成長が期待できる新興国は、1位中国、2位クウェート、3位インド、4位サウジアラビア、5位ブラジル、という調査結果をATカーニーが発表した。

 このランキングは、新興国の経済、政治リスク、市場の魅力、市場の飽和度など25の要因を考慮している。中国は昨年の3位から1位に上昇した。政府の経済政策が評価され、2級都市の成長が見込めるという。

 3位のインドは昨年は1位だった。外資系チェーン店がいっせいに参入して競争が激化し、店舗用不動産価格が上昇したことなどがマイナス要因になった。ロシアは昨年の2位から今年は10位に落ちた。リセッションの悪影響や政治リスクが嫌気された。

 一方、クウェートは、昨年のランク外から今年は2位に入った。上位には他の中東勢もいる。北アフリカ勢も多い。上位21ヵ国のうち8ヵ国が中東と北アフリカで占められている。

 欧米の小売り業界にとってイスラム圏は成長が期待できる“魅惑の地”になっている(参考:ATカーニー資料、「インディペンデント」紙6月22日付)。

 ロンドンのファッション小売り業界は、昨年よりも1週間早く、6月2週目の週末から夏物バーゲンを開始した。6月22日発表の英政府の緊縮予算案が消費者のマインドを冷やすのではないかと懸念されたことが1つの理由だ。さらにイスラム圏のラマダーン(断食の月)も考慮された。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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