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長寿の食卓~あの人は何を食べてきたか~ 樋口直哉

サツマイモが好物だった昭和天皇に学ぶ長寿の食卓

樋口直哉 [小説家・料理人]
【第24回】 2016年3月10日
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イラスト/びごーじょうじ

 作家の沢木耕太郎は『不敬列伝』という作品で昭和天皇を「見えない人間」と表現した。知れることがあまりに少なく、人物像がうかがい知れないという。

 そんな昭和天皇の人物像が少し垣間見える資料がある。渡辺誠著『昭和天皇 日々の食』(文藝春秋)だ。天皇の食事のすべてを預かる宮内庁大膳課に勤めていた著者が、昭和天皇の日々の食事についてまとめたものだ。

 紹介されている一部をまとめる。朝食は洋風。オートミールかコーンフレーク、それに野菜料理1品とサラダ、ピーナツかギンナンを3粒。昼食と夕食は和食と洋食を交互に組み合わせており、例えば1984(昭和59)年2月15日のお昼は大根、コンニャク、ちくわなどのおでんが食卓に上っている。それに麦入りご飯とお味噌汁、白魚の桜煮、春菊のごまあえ、漬物。白魚の桜煮は淡い味付けの小鉢料理だと思われる。夕食はコンソメスープに温野菜入りの若鶏の煮込み、青豆のクリーム煮、サラダにパン。簡素だが十分な献立である。また食事量は驚くほど少なかったという。

 好物はふかした皮付きのサツマイモとウナギ。逆に嫌いな食べ物はフォアグラで、決して手を付けなかったそうだ。こうしたことを知ると、そのお人柄が見えてくるような気がする。

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樋口直哉 [小説家・料理人]

1981年生まれ。服部栄養専門学校卒。料理人として活動する傍ら、2005年、『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。ほかの作品に『月とアルマジロ』(講談社)、『大人ドロップ』(小学館)、『星空の下のひなた。』(光文社)、『ヒマワリのキス』(徳間書店)、『アクアノートとクラゲの涙』(メディアファクトリー)がある。

 


長寿の食卓~あの人は何を食べてきたか~ 樋口直哉

1日でも長く生きたい――。きっと多くの人が望むことだろう。では、実際に長生きをした人たちは何を食べてきたのか。それを知ることは、私たちが長く健康に生きるためのヒントになるはずだ。この連載では、歴史に名を残す長寿の人々の食事を紹介。「長寿の食卓」から、長寿の秘訣を探る。

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