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時間がない人ほど上達する英語勉強法
【第5回】 2016年3月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
中村澄子

時間がない中で英語と格闘するために
すべきこと、すべきでないこと

ビジネス英語はどう学ぶのが効率よいか?『6万人のビジネスマンを教えてわかった 時間がない人ほど上達する英語勉強法』の著者・中村澄子さんが、忙しいビジネスパーソンがすべきこと、すべきでないことを解説します。

ビジネスパーソンにおすすめの教材は?

 忙しいビジネスパーソンが、効率よくビジネスで使える英語を身につけるには、最初から「ビジネス」を意識した教材を使うことが大切です。

 たとえば、ビジネスで英文を大量に読まなければならなくなった人に、読みやすい文体だからと、ヘミングウェイの『老人と海』や、キング牧師の演説文書などをすすめる講師がいます。
 でも、小説や演説文は、ビジネス英語の教材としては、遠回り。それよりも、経済・ビジネス系の英文ニュースなどの方が、よい教材になります。

 また、国内外の企業の英文ホームページにある、「トップメッセージ」や「社長インタビュー」もおすすめです。
 IRレポート(決算発表資料や株主説明会資料)となると、初心者にはハードルが高いでしょうが、トップメッセージでは、普通、そこまで込み入った話はしていません。

 自社の英文サイトはもちろん、自分と同じ業界や身近なサービス/商品を提供している企業のものであれば、前提となる知識もあって、興味深く読めるのではないでしょうか。
 語彙のインプットにもなりますし、世界規模で同業者の最新情報を得ることができるのも魅力です。英語の勉強を超えて、得るものがあると思います。

 日本企業の英文ホームページの場合、日本語で書かれた内容の翻訳になっているケースもあり、日本語版/英語版を読み比べることで、どこまで理解できたかチェックができます。
 私が個人的によくできていると思うのは、ソフトバンク、セブン&アイ・ホールディングス、KDDI、トヨタ自動車、ファーストリテイリングなどです。
 意外(?)に思うかもしれませんが、サイゼリア、ドン・キホーテなども、力を入れています。

 ただし、ある程度読めるようになれば、日本語訳があることは必須ではありません。
 ビジネスパーソンに求められるのは、英語の文章を読んで内容を理解することであって、英文和訳ではないからです。

わからないところや読めないところがあっても、前後の文脈から類推して理解できればいいですし、求められているのは、むしろそうした力です。

ビジネスで、reservation といったら…?

 私が、ビジネスに関連したものを読み・聞き・話すことが重要と言う理由の一つに、同じ単語でも、日常会話とビジネスで使われる場合では、意味が異なるものがあるというのがあります。

 「彼はこのプロジェクトについて少し懸念を抱いていました」と言うときは、
 He was a little afraid about this project. ではなく、

He had some reservations about this project.

 のように言うほうがきれいです。
 普通の英会話なら reservation は、「予約」以外ではまず使わないでしょう。

新刊『6万人のビジネスマンを教えてわかった 時間がない人ほど上達する英語勉強法』では、日常会話とビジネスでは、意味が異なることの多い単語の例として、ほかにも、manner、introduce、address、withdraw、opening などを紹介しています。

 また、ビジネスの場面ならこの方が自然、というフレーズもあります。

 たとえば、「マーケットを拡大する」と言うとき、increase the marketと言ってしまう人がいます。それでも通じないことはありませんが、expand the market が自然です。

 また、profit(利益)は、create profit ではなく、generate profit(利益を生む)の方が自然です。

 もちろん、黙ってしまうよりは、知っている単語を駆使して表現する方がいいでしょう。
 しかし、自信を持って話すには、ビジネスの現場で自然と考えられている言い方を、少しずつでも覚えていくようにしたいものです。

時間がない人が、すべきでないこと

 さて、連載最後の今日は、『6万人のビジネスマンを教えてわかった 時間がない人ほど上達する英語勉強法』のなかから、時間がない人がすべきでないことと、すべきことを、一部紹介したいと思います。

 まず、英語の勉強をするときに、ノートや単語帳をきれいに作るのはやめましょう。
 なかには、知らない単語を全部書き出し、ていねいに辞書で調べ、シールや色ペンまで使って、ほれぼれするような“作品”に仕上げる人もいます。
 几帳面で一生懸命というのはわかるのですが、時間がもったいないです。

 そもそも、英文を読んで知らない単語を全部調べる必要はありません。辞書で調べるのは、どうしてもわからないと文意が理解できないものだけにします。

 某精密機器メーカーに勤める私の元教室生は、毎日、A4サイズ1枚分の英文記事をプリントアウトして読むことを習慣にしていました。そのなかで見つけた覚えたい単語は、プリントの余白にササッと書き込んで、数日後に見直して覚えていればそれでおしまい、覚えていなければ手帳に書き写したり、ちぎって財布に入れたり、家の冷蔵庫に貼るなどして、覚えるまで目に触れるようにして、覚えたら捨ててしまうようにしていたそうです。

 どうしてもキレイな単語帳を作りたいというなら止めはしませんが、作成に費やす時間は「勉強時間」に含めるべきではありません。

何をやろう…
と考える時間がムダ!

 時間のない人が勉強を続けるには、やるべき作業を細分化して、優先順位をつけ、それぞれに締め切りを設定して、こなしていくことです。

 私の教室生のなかには、毎週日曜日にその週にやる問題集のページ、覚える単語のリスト、読むべき記事のコピーを取り、曜日ごとのクリアファイルに割りふって、学習を計画通りに進めている人がいました。

 また、「今週のTOEICバッグ」と称し、その週に勉強する道具一式を小さなバッグに入れて、必ず持ち歩いている人もいました。

 そうすれば、ちょっと時間があいたときに、ファイルやバッグの中にはやるべきものが入っていますから、すぐに取りかかれ、予定が遅れれば、どれだけやり残しているかも一目瞭然です。

逆上がりと英語の共通点

 こんなにがんばっているのに――。期待したような成果が感じられないときは、「勉強なんてやめてしまおうか」と思うこともあるかもしれません。
 でも、特に最初のうちは、とにかく「毎日する」ことをおすすめします。

 英語学習はスポーツに似ています。アスリートはたった1日練習を休んだだけで、パフォーマンスに大きな影響が出るといいます。
 英語学習も同じで、1日休めば何かしらの影響が出てしまうでしょう。ましてや1週間も休んでしまえば、覚えかけていた単語を忘れてしまったり、リスニングやリーディングのスキルが鈍るのが自分でわかるはずです。

 一方で、なかなかできなかったことでも、毎日諦めずに続けていると、ある瞬間にふっとできるようになることがあります。一定の学習量をこなすと能力として定着するラインがあるのでしょうか。
 それは、ちょうど逆上がりができるようになった瞬間に似ています。
 頭ではわかっているのにどうしてもできなかったことが、何度も繰り返しているうちに、あるところでフッとできるようになり、一度できるようになってしまうと、今度はあれほど苦労していたのが嘘のように、当たり前にできるようになるのです。

 ですから、最初はどんなに聞けなくても話せなくても、その瞬間がくるまではコツコツと壁を叩き続け、諦めずに続けるべきなのです。

 どうしても忙しくて時間が取れないときや、疲れていて勉強がつらいときは、いつもより短い時間でもいいのです。

『6万人のビジネスマンを教えてわかった 時間がない人ほど上達する英語勉強法』は、日々の仕事をこなしながら、英語とも向き合いがんばっているみなさんに、私なりの道筋を示せたらーーそんな思いで作りました。みなさんのお役に立てれば幸いです。

筆者プロフィール 中村澄子(なかむら・すみこ)
同志社大学卒業。イェール大学でMBA(経営学修士)を取得。帰国後、米国の金融コンサルティング会社の日本法人立ち上げに参画。その後、オフィスS&Y を設立。大企業で英語研修講師を務める傍ら、東京・八重洲でキャンセル待ちが列をなすTOEIC専門スクールを運営。購読者3万人を超える人気メルマガ 「時間のないあなたに!即効TOEIC250点UP」の発行者でもある。累計80万部の『1日1分レッスン!新TOEIC TEST千本ノック!』シリーズ(祥伝社)の他、『TOEICテスト英単語 出るのはこれ!』(講談社)など著書多数。
https://www.sumire-juku.co.jp/

 

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中村澄子

なかむら・すみこ/同志社大学卒業。イェール大学でMBA(経営学修士)を取得。帰国後、米国の金融コンサルティング会社の日本法人立ち上げに参画。その後、オフィスS&Yを設立。大企業で英語研修講師を務める傍ら、東京・八重洲でキャンセル待ちが列をなすTOEIC専門スクールを運営。購読者3万人を超える人気メルマガ「時間のないあなたに! 即効TOEIC250点UP」の発行者でもある。累計80万部の『1日1分レッスン! 新TOEIC TEST千本ノック!』シリーズ(祥伝社)の他、『TOEICテスト英単語 出るのはこれ!』(講談社)など著書多数。


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