営業をしていると、断られるときなんてざらにあります。多くのケースは、時間、お金、利益に関わる問題です。また、「少し考えさせて」「○○に相談する」などですね。こういう場合にも、状況を打開するフレーズがあるのです。
新刊『3か月でトップセールスになる質問型営業最強フレーズ50』より、営業における誰も教えてくれなかったエッセンスのみを抽出し、最強フレーズを紹介していきます。

売れる営業は、お客様の「逃げ」に需要を見いだす

 営業においてのお客様の「反論」や「逃げ口上」は、乗り越えなければいけない大きな壁です。このうち「反論」は3つのパターンに分けられます。それは、「時間」「お金」「利益」です。

「時間」については、「話を聞く時間がない」「取り組む時間がない」「忙しい」「今やらなければいけないことがある」などです。

「お金」については、「購入するお金がない」「他のものに費用がかかっている」「余裕がない」などです。

「利益」については、「本当に成果が出るかわからない」「それが今必要なのかがわからない」「今のままでも十分やっていける」などです。

「反論」や「逃げ口上」は、多くの場合、営業の入り口のアプローチに出てくるか、最終の契約段階のクロージングに出てきます。

 アプローチの場合には、もともと提案したい商品についての重要性を感じていないときに言われます。この場合は「反論」として現れることが多いでしょう。

 クロージングの場合には、いいのはわかってもそれを採用するとなると当然のことながら費用がかかることから言われます。この場合は判断をもう少し慎重にしたいということから「逃げ口上」として、「少し考えさせて」「○○に相談する」などと表現されるのです。

 営業マンは、これらの反論や逃げ口上が出てくると、なんとかそれを説得しようとしてしまいます。ところがこれが間違いなのです。

 対処するには、鉄板の法則とそのフレーズがあります。これを知っているだけで、楽に対処できるのです。

 それが「共感+質問」です。第1段階では「共感+たとえば?」。第2段階では「共感+具体的には?」。そして、第3段階では「共感+実は……」となります。反論や逃げ口上にまずは共感し、その理由を聞いて、解決するのです。例を次に示してみましょう。

〈時間の反論「取り組む時間がない」の場合〉
お客様  「○○さん、いいのはわかるんですが、私は取り組む時間がないんですよ」
営業マン 「そうなんですね。随分お忙しいのですね。たとえば、どのようなことで、お忙しいのですか?」(第1段階「共感+たとえば?」)
お客様  「取り組まないといけないことがあってね」
営業マン 「なるほど、そういうことなんですね。具体的には、どういうことですか?」(第2段階「共感+具体的には?」)
お客様  「今は重要なプロジェクトを抱えているんですよ」
営業マン 「なるほど、そういうことですね。それは大変ですね。実はそういう方にこそ、時間の効率化で役立つお話なんですよ。15分ほどで済みますので、私の話を聞いてみられませんか?」(第3段階「共感+実は……」)

 時間のほかに、「他のものに費用がかかっている」「本当に成果が出るかわからない」「少し考えさせて」「妻に相談する」などの場合も同様に対応できます。

 いかがでしょうか。この「共感+質問」の2段階と最終の「共感+実はそういう方にこそ」で、あらゆる反論、逃げ口上に対処できるのです。これこそ、営業マンにとって最強の鉄板の法則とフレーズといえるでしょう。