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知っておきたい「がん」と最新医薬品の話(第2回)

がん治療薬の新しいステージを拓く抗体医薬品

2010年8月2日
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かつて、がん治療は患者さんの命を救うことが最大の目的だった。しかし、現在では患者さんの命を救うだけでなく、いかに快適な日常生活を送ることができるかも重要な治療目的になっている。抗がん剤による化学療法は、しばしば患者さんのQOL(生活の質)を損なうが、それでも命が助かるのなら、と必死に頑張っているのが現代のがん患者さん。だが、医療技術は日進月歩。外科治療は縮小手術に向かい、放射線療法はがんをターゲットに集中的に照射する方法が開発されてきた。投薬の分野でもより効果的で副作用の少ない薬剤が開発されている。その1つが抗体医薬品と呼ばれるもので、抗体医薬品の登場によって、がんに対する化学療法は新たなステージを迎えた。

 がん患者さんは初診時から終末期にいたるまで、あらゆる段階で強いストレスにさらされる。入院、転移の恐怖。そして、がんそのもの、あるいは治療による身体機能の低下…。とくに治療による身体機能の低下と不安感は治療経過にも影響を与える。

 がんの3大治療法は外科療法、放射線療法、化学療法だが、1つの治療法でがんを治癒させることができるのはきわめて早期のがんに限られる。多くの場合、外科療法と化学療法、外科療法と放射線療法、化学療法などを組み合わせた治療が複合的に行われるが、治療が濃密になればなるほど治療にともなう弊害が患者さんに及ぶ可能性も高まる。

 そこで、がん患者さんのQOLを高めるための治療の進歩が望まれている。外科治療では開腹しない内視鏡手術や開腹しても切除範囲を最小限にとどめる縮小手術が進歩してきた。化学療法の分野では副作用対策の進歩がQOLの向上に欠かせない。加えて、投与頻度や投与方法も患者さんのQOLに大きく影響する。

 特定分子のみをターゲットにするため副作用の少ない抗がん剤として期待が集まる抗体医薬品は、もう一つのメリットとして体内で効果を発揮する時間が長いという特徴がある。現在の技術では錠剤などの飲み薬にできないため、注射で投与する必要はあるが、投与間隔を長くすることができれば、患者さんの負担が軽減し、QOLの向上に大きく貢献するだろう。

ポテリジェント(R)技術とKMマウス
協和発酵キリンの抗体技術

 抗体医薬品の登場によってがん化学療法は新しいステージに入った。
協和発酵キリンは抗体医薬品の研究開発においてすぐれた独自技術をもち、世界的なリーダー企業の一つとなっている。同社独自技術の筆頭は、「ポテリジェント(R)技術」と呼ばれる抗体の活性を高める技術だ。従来の抗体に比べて100倍以上も高い抗腫瘍効果を示す抗体医薬品の開発を可能にした。すでに述べたように、化学療法単独で治癒に導くことは難しく、医薬品の活性を高めることは世界中の研究者の課題だった。活性の高い抗体医薬品が開発されれば、より有効な治療の選択肢も広がる。

             ポテリジェント(R)技術
詳しくはこちら(協和発酵キリンのページにリンクします)
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