ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
あれか、これか ― 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門
【第1回】 2016年4月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
野口真人 [プルータス・コンサルティング代表取締役社長/企業価値評価のスペシャリスト]

人生最大の呪縛「現金」から
自由になる「最強の実学」とは?
本当の値打ちを見抜き、選択力を高める

1
nextpage

「ギザのピラミッド、ヴェルサイユ宮殿、現金10億円」――この3つのうち、どれでも好きなものが選べるとしたら、あなたはどれを選ぶだろうか? ほとんどの人は「現金」を選ぶはずだ。しかし、果たしてそれは、本当に「賢明な選択」だろうか?

本日より、年間500件以上の企業価値評価を手がけるファイナンスのプロ・野口真人氏による新連載がスタートする。まもなく発売となる同氏の新著『あれか、これか――「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門』は、あらゆる「選択」に役立つ「4つのノーベル賞理論」が学べる一冊だ。

「カネほど価値の低いものはない!」と豪語する「ファイナンス理論」とはいったいどんな学問なのだろうか? 最新刊『あれか、これか』のなかから紹介していこう。

「いまの人生」は「過去の選択」でできている

僕たちの人生は、選択の連続だ。「選ぶことが人生だ」と言ってもいい。

誰と友だちになるのか、どの部活に入るのか、どんな学校に行って何を学ぶのか、卒業してどんな仕事に就くのか……。成長するにつれて、選択の機会と重みはどんどん増していく。

初任給で何を買うのか、いまの会社に留まるか、別の会社に転職するか、それとも独立するか、誰と結婚してどんな家庭を持つか、それとも独身を通して好きなことに没頭するか、住宅ローンを組んでマイホームを持つか、それとも老後まで賃貸暮らしを続けるか……。

選択とは価値判断だ。僕たちはいつも「最も価値がある≒最も得する」と思ったものを選んでいるはずだ(少なくとも理論的には……)。
今日のあなたは、昨日までのあなたが下した価値判断の結果にほかならない。

だとすれば、悔いのない人生を送るために、僕たちにできるのはたった1つ――「値打ち」を正しく見抜くことだ。

「正しい選択」のために生まれた人類の叡智

今回、僕は『あれか、これか』という少々変わったタイトルの本を書いた。この本に書かれているのは、本当の価値を見抜き、正しい選択をするために人類が生み出した究極の実学・ファイナンス理論の考え方である。

これまで僕は、一貫して実務の世界でファイナンス理論を使うかたわら、ビジネススクールのMBAコースで「ファイナンス」科目の講師を10年以上続けてきた。そのため、この分野にあまり人気のある分野だと言えないことは、よくわかっているつもりだ。

本屋さんの棚を眺めていても、戦略やマーケティングの棚のように次々とかっこいい新刊が出たりもしない。おまけに「数字とかお金を扱うややこしいこと」くらいのイメージはみんな持っているので、どちらかというと敬遠されがちになる。

しかも、(残念ながら!)そのファイナンス像はあながち間違ってもいない。
ビジネススクールで教えられるファイナンスは、企業の資金調達・運用などに関わる、かなり実務寄りの知識だ(これをコーポレート・ファイナンスという)。
実際のビジネスでファイナンス理論を使う人は、あまり多くはないだろう。

それにもかかわらず、僕がファイナンスの入門書を書いているのは、これが価値判断、つまり「あれか、これか」の目を養ううえで、有益だと考えているからだ。

ピラミッドかヴェルサイユ宮殿、もらえるならどっち?

さて、ファイナンス理論に関する連載だとわかって、なんとなく嫌になりかけている人のためにも、ここで一風変わったクエスチョンをあげておこう――。

◎どちらかを差し上げます。選んでください。
 (1) ギザのピラミッド
 (2) ヴェルサイユ宮殿

さて、あなたはどちらを選ぶだろう?

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
自分の時間を取り戻そう

自分の時間を取り戻そう

ちきりん 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
生産性は、論理的思考と同じように、単なるスキルに止まらず価値観や判断軸ともなる重要なもの。しかし日本のホワイトカラー業務では無視され続け、それが意味のない長時間労働と日本経済低迷の一因となっています。そうした状況を打開するため、超人気ブロガーが生産性の重要性と上げ方を多数の事例とともに解説します。

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


野口真人(のぐち・まひと) [プルータス・コンサルティング代表取締役社長/企業価値評価のスペシャリスト]

1984年、京都大学経済学部卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)に入行。1989年、JPモルガン・チェース銀行を経て、ゴールドマン・サックス証券の外国為替部部長に就任。「ユーロマネー」誌の顧客投票において3年連続「最優秀デリバティブセールス」に選ばれる。

2004年、企業価値評価の専門機関であるプルータス・コンサルティングを設立。年間500件以上の評価を手がける日本最大の企業価値評価機関に育てる。2014年・2015年上期M&Aアドバイザリーランキングでは、独立系機関として最高位を獲得するなど、業界からの評価も高い。これまでの評価実績件数は2500件以上にものぼる。カネボウ事件の鑑定人、ソフトバンクとイー・アクセスの統合、カルチュア・コンビニエンス・クラブのMBO、トヨタ自動車の優先株式の公正価値評価など、市場の注目を集めた案件も多数。

また、グロービス経営大学院で10年以上にわたり「ファイナンス基礎」講座の教鞭をとるほか、ソフトバンクユニバーシティでも講義を担当。目からウロコの事例を交えたわかりやすい語り口に定評がある。

著書に『私はいくら?』(サンマーク出版)、『お金はサルを進化させたか』『パンダをいくらで買いますか?』(日経BP社)、『ストック・オプション会計と評価の実務』(共著、税務研究会出版局)、『企業価値評価の実務Q&A』(共著、中央経済社)など。


あれか、これか ― 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門

あらゆる「選択」に役立つ4つのノーベル賞理論が1冊でわかる! 2500件超の企業価値評価を手がけたファイナンス第一人者が教えるお金・リスク・価値の本質とは? 「カネほど無価値なものはない!」――お金に囚われず「本当の値打ち」を選びとるための最強の実学。

「あれか、これか ― 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門」

⇒バックナンバー一覧